「ワクチンバス」、田舎の高齢者への出前ワクチン接種に走る!
現在フランスでは、新型コロナウイルスの第3波のピークは過ぎたとみられるものの依然感染状況が一日あたり感染者数は3万人を超えるなど深刻であり、ワクチン接種の加速が進められている。4月25日時点で、1,410万人(人口の21.8%)が少なくとも1回、うち550万人(8.5%)が2回目の接種を終えている。
新型コロナウイルスに対するワクチン接種を促進しているものの1つが、国内各地で、ワクチン接種を出前で行う「ワクチンバス(vaccibus)」の運行である。ワクチン接種会場から離れた地域などに医師等がバスで出向いて、リスクが高く、また交通弱者である高齢者等へのワクチン接種を行っている。
仏南西部ヌーベルアキテーヌ州にあるオート=ガロンヌ県では、ワクチン接種会場に来られない高齢者や基礎疾患のある50歳以上を対象に、接種会場がない農村部のコミューン(市町村)に出向き接種を行う、移動式ワクチン接種システムの「ワクチンバス」の運行を開始した。ワクチンバスは、県の消防本部が国の州地方長官の要請を受け、コミューン、市長会、国の州保健庁、大学病院等と協力し実施している。対象者は、適格性をチェックされたうえでコミューンより連絡を受け、任意で接種予約を取る。この取り組みは3月に行われた試行が好意的に受け止められ、4月から本格運行が始められた。、地域間の公平性にも配慮しながら、6月中旬まで毎週末県内17のコミューン間広域行政組織の一つうち1つを訪問する予定。すでに、4月16日までで県内5つのコミューンで約1,300回分のワクチン接種を行った。