世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の価値と魅力
青森県世界文化遺産登録推進室
北海道・北東北の縄文遺跡群の価値
2021年7月27日に開催された第44回世界遺産委員会拡大会合において、本県をはじめ、北海道、岩手県、秋田県及び関係自治体が推進してきた「北海道・北東北の縄文遺跡群(Jomon Prehistoric Sites in Northern Japan)」が世界遺産に登録されました。
北海道・北東北の縄文遺跡群は、農耕文化以前の生活のあり方と複雑な精神文化を伝える17の考古遺跡から構成される文化遺産です。青森県には8つの遺跡があります。
縄文遺跡群が存続した紀元前13,000年から紀元前400年までの時期は、日本の歴史では縄文時代と呼ばれています。氷期が終わり、地球規模で温暖化すると、北日本にはブナを中心とする落葉広葉樹の森が広がり、海洋では暖流と寒流が交わり豊かな漁場が生まれました。人々は、気候の温暖化や寒冷化といった環境変化にも適応しながら、1万年以上にわたって農耕文化に移行することなく、狩猟・漁労・採集を基盤とした生活を継続しました。17の遺跡は、その開始・発展・成熟の過程を具体的に示しています。
17の遺跡が示す定住の開始・発展・成熟
縄文遺跡群の魅力
構成資産及びその周辺の景観は良好に保全され、当時のたたずまい(Jomon Landscape)を体感できます。環状列石のように一部の遺構は露出して公開されていますが、脆弱な竪穴建物跡や墓、貝塚などは地下に埋蔵されて保存されています。そのため、発掘調査成果に基づいて、地表面に竪穴建物等の原寸大模型(life-size interpretive models)を配置したり、当時の植生を示した「縄文の森(Jomon Forest)」を再現するなど、集落や祭祀場の様子を感じられるインタープリテーションが行われています。
三内丸山遺跡(Sannai Maruyama Site)
小牧野遺跡(Komakino Stone Circle)
保全管理体制・地域コミュニティとの関わり
関係自治体では、「縄文遺跡群世界遺産保存活用協議会」を設置し、構成資産及び緩衝地帯の保全、経過観察(モニタリング)、情報発信等の取組を進めています。
各構成資産では、地元住民からなる民間団体があります。遺跡の清掃活動や維持管理、遺跡案内、土器や石器づくりなどの体験プログラムの運営等に参画しています。
本県では、未来を担う子どもたちに縄文遺跡群の価値や魅力を伝える出前講座も実施しています。受講者数は延べ1万2千人を超え、児童・生徒のなかに縄文遺跡群への愛着と誇りが育まれています。
ボランティアガイド
縄文“体感”世界遺産講座
自然と関わりながら生きる縄文時代の暮らしには、現代に生きる私たちが学ぶべきことがたくさんあります。縄文遺跡群に足を運び、当時の人々の暮らしや生き方に思いを馳せてみませんか?
※詳細は、北海道・北東北の縄文遺跡群公式ホームページ(https://jomon-japan.jp)をご覧ください。
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