クレア・パリ事務所長着任の御挨拶
本年6月にクレア・パリ事務所長に着任いたしました野村でございます。
こちらへ来て、日本とフランスとの繋がりの強さを実感します。パリ市内では至る所で日本食レストランを見かけ、人気ラーメン店にはいつも行列ができています。また、柔道は、フランスの人気3大スポーツの中に入るとのことで、競技人口は日本より多く、街でも柔道着の子供たちを見かけます。フランスはヨーロッパの中心に位置し、昔からさまざまな文化が入ってきますが、その中でも日本文化は好意的に捉えられ、社会に受け入れられているように感じます。
日本とフランス、気候や言語は違えども、どちらも長い歴史を持っています。どちらの国も、そこに残されたものを守りつつ、試行錯誤して新たなものを創り出しており、「生活の営み」という点で共通点が多いなと感じます。その意味で、二国はお互いに尊重し合い、刺激し合う関係ではないかと思います。
日仏の自治体交流は、こうした日仏間の相互理解に支えられて発展してきました。1950年代から始まった日仏の姉妹都市提携は着実に増加し、現在54を数えます。この他、産業、教育、文化など個別分野で自治体同士の協定が結ばれ、さまざまな形で交流が進んでいます。
こうした日仏間の国際交流を支えてこられた皆様に敬意と感謝を申し上げます。境を超えて交流し、新たな価値観や文化に触れることは、人間の根源的な欲求でもあり、地域を発展させてきた源だと思います。地域に根差し、住民に教育、福祉などのサービスを提供する自治体間の国際交流は、未来を創る青少年をはじめさまざまな階層の住民にアプローチするものであり、双方にとってかけがえのない価値を生むと思います。
ただ一方、昨今は、新型コロナウイルス感染症の影響で、これまでのように交流を行うことが難しくなりました。もちろんオンラインなどを使い、新たな形での交流を模索しておりますが、この感染症が早く収まり、元のような生の人間の交流が復活することを切に祈っております。
クレア・パリ事務所は、今後とも日仏両国の架け橋となり、日仏間の自治体交流を深化させられるよう精一杯努力してまいりますので、引き続きご理解ご支援のほどどうぞ宜しくお願い申し上げます。
一般財団法人自治体国際化協会パリ事務所長
野村 知宏
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