2020年、フランスで新たに250のマルシェが誕生!フランス全国マルシェ連盟を訪問取材
フランスのマルシェは、出店者と客との間で直接商品の売買が行われる小売・屋台の集合体です。マルシェの形態は、常設のものから週数回の限定開催のものまで様々であり、野菜、果物、乳製品、肉・魚などの食料品から、各種生活用品や衣料品、装飾品に至るまで多くの品物が売買されています。
フランスの観光に関する情報誌を見ていると、その地域の新鮮な食品や工芸品を購入できるマルシェを勧める記事を度々目にします。フランスのマルシェは観光資源としても重要な存在ですが、実際にマルシェを訪れてみると、食材を購入している地元住民の姿を多く見かけ、地域への重要な食糧供給の一端を担っていることがわかります。また、マルシェの閉店後には、自治体の車両が清掃を行うなどマルシェに対する自治体の関与が垣間見られ、マルシェがフランスの生活や社会に深く根付いた存在であることをうかがい知ることができます。
フランス全土では約1万のマルシェが開催されているところ、そのうち約3割が人口2,000人以下の小規模コミューン(市町村に相当し、フランス国内に約30,000存在する)において開かれていると推計されています。
2020年はフランス全土で約250のマルシェが新設され、フランスにおけるマルシェの総数は増加しています。マルシェには、観光客の誘致、地元職人への販売機会の提供、食料の安定供給確保、地産地消推進といった多くの利点があり、日本の地域が抱える多くの課題への解決策となる可能性があります。マルシェ先進国であるフランスの事例を学ぶため、マルシェ出店者が加入する全国組織であるフランス全国マルシェ連盟(以下、FNSCMF:Fédération Nationale des Syndicats des Commerçants des Marchés de France)を訪れ、会長と事務局長へ、新設マルシェの近年の特徴、マルシェ新設の流れと新設に伴う問題と対応策等について取材しましたので、その内容をご紹介します。