パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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パリ市が区(arrondissement)議会を統合へ

2016年1月からフランス本土22州(région)は13州に統合されたが、パリ市では区議会を統合する動きが進められている。

1860年の市域拡大以降、パリは中心の1区から時計回りで渦巻き状に番号が振られた全20区の行政区画に分かれているが、2月15日、パリ市議会において、2020年に実施される次回の市議会議員選挙に合わせ、面積が小さく人口も少ない中心部の1区から4区までの各区議会を1つの区議会に統合し、市内で全17区議会にすることが可決された。 

市議会議員選挙は各区ごとに拘束名簿式の比例代表選挙で行われ、同時に同じ名簿を用いて区議会議員も選出している(詳しくはhttp://www.clairparis.org/ja/clair-paris-blog-jp/blog-2014-jp/911-2014-03-21-13-04-59参照。なお、市長は市議会議員から、各区長は区議会議員から、それぞれ間接選挙により選出される。)。今回の区議会統合は、市議会議員選挙の選挙区の統合でもあり、市議会における一票の較差を是正するためのものとされている。現在、人口約1.7万人の1区から選出されるパリ市議会議員は1人で、他の区に比べ、一票の価値は小さい。

2014年3月に実施された選挙により、パリ市議会は、現在、イダルゴ市長の下、社会党をはじめとした左派連合が与党を担っており、この改革に対し、野党共和党からは、次回選挙において共和党の議席を減らすためのものと批判も出ている。

また、区議会統合とともに、パリ警視庁(Préfecture de police de Paris)が有する交通等に係る権限(道路管理、集会、駐車違反の取締り)の移譲を受けること、パリ市が市と県を融合した単一の自治体となることも可決された(法律上、パリ市は、基礎自治体(commune)であり、県(département)でもあるという異なる2つの地方自治体の側面を有している。)。

なお、市と県を融合した自治体はフランスに存在しないが、県と州を融合した自治体(collectivité territorial unique)は、海外領土では既に存在し、コルシカでも2018年に誕生する予定であるが、アルザス州では2013年の住民投票で否決されている(背景はhttp://www.clairparis.org/ja/clair-paris-blog-jp/blog-2012-jp/697-alsace2012-12-27-ja-jp-1参照)。

いずれの改革も法律の改正が必要であり、イダルゴ市長は法案が2016年中に成立されるよう、政府と協議を進めると報道されている(2017年4月に大統領選挙、6月に国民議会議員選挙が実施される見込みである。)。