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パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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静岡市の地球温暖化対策の取組み ~2050年カーボンニュートラルを目指して~

静岡市環境局環境創造課

静岡市は、令和5年(2023年)3月に本市の地球温暖化対策の指針となる「第3次静岡市地球温暖化対策実行計画」を策定しました。同計画の削減目標は、2013年度比2030年度までに51%の削減を掲げており、日本の目標46%に対し高い水準となっています。これは、排出量の大きい指定都市こそ率先して削減を進め、国全体の削減に寄与することを目標としたからです。
また、市域全域での削減目標と同じく、市の事務事業(注1)から排出される温室効果ガスについても51%の目標を掲げており、太陽光などの再生可能エネルギーの導入拡大に加え、今後、新規公共施設のZEB化、再エネ設備等の導入などの取組を行っていく予定です。

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静岡市

なお、市域全域での取組は、①省エネルギーの推進 ②再生可能エネルギーの拡大 ③エネルギーの高度利用 (注2)④気候変動への適応といった取組方針を掲げつつ、特に本市の地域特色を活かし公民が連携を図りながら、経済・社会・環境の三側面の好循環を生み出す「リーディングプロジェクト(①脱炭素先行地域の整備促進 ②グリーン水素(注3)の利活用促進 ③公共交通機関の利便性向上と利用促進 ④グリーン産業の創出促進 ⑤温室効果ガスの吸収源対策)」を設定しています。
その1つである「脱炭素先行地域の整備促進」は、県内で唯一「脱炭素先行地域」に令和4年4月に国から選定されたことを受けて行うものです。本市の脱炭素先行地域は、3つのエリアから構成され、エリア内に太陽光や大型蓄電池、エネルギーマネジメントシステムなどを導入することで、エリア内における電力消費に伴うCO2の排出量を実質ゼロにしていきます。また、脱炭素先行地域の着実な整備に加え、この先進的な取組を市内外へ水平展開させていくことで、魅力的かつ持続可能なまちづくりを目指します。

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脱炭素先行地域選定証授与式

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脱炭素先行地域としての整備が進む恩田原・片山エリア

次に、「グリーン水素の利活用促進」では、産学官連携のもと、再生可能エネルギー由来の電力で水電解(注4)し生成されるグリーン水素の供給拠点地の整備を進めています。また、供給面の支援のみならず、FCバスの導入を支援することで、需要拡大に向けた取組も進めています。

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FCバス

最後に、「温室効果ガスの吸収源対策」では、DAC(Direct Air Capture=大気中の二酸化炭素を直接回収する技術の総称)事業の拡大に公民連携で取り組んでいます。具体的には、産業廃棄物である生コンスラッジ(注5)を用いて二酸化炭素を吸収し、そこで生成される炭酸塩(カルシウム)を、低炭素コンクリートの材料や工業用炭酸カルシウムの代替品(注6)として利用できるよう技術開発を行っています。この取組を静岡DACプロジェクトと銘打ち、環境負荷の低減と経済成長の両立を目指して進めています。

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大気中の二酸化炭素を吸着した炭酸カルシウム

このように、本市では、様々な分野でGXの取組を進め、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指しています。

 

(注1)市役所で行う全プロジェクトのこと。

(注2)エネルギー効率の飛躍的な向上が図れる新規技術を活用すること。

(注3)再生エネルギーなどにより、製造工程において、CO2を出さない水素のこと。

(注4)グリーン水素を作るために、「水」を「再エネ由来の電気で電気分解」して、「水素」を作ることで、CO2を出さないグリーン水素ができる。

(注5)生コンスラッジ=生コンクリートの汚泥廃棄物。固める前の生コンクリートを生成する過程で、必ず発生する廃棄物のこと。一般的な生コンクリート生成工場では、一日に十数トン発生するといわれており、それを有効活用している事例である。

(注6)低炭素コンクリートの製造や、自然由来の炭酸カルシウム取得には限界があるため、この技術により補うことができる。

 

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