名古屋市・ランス市の姉妹都市提携5周年記念のイベントで香道体験
2022年5月2日(月)から7日(土)の6日間、日本の禅を実践するイベント「ZENウィーク」がランス市内で開催されました。
かつて歴代のフランス王が戴冠式を行っていた大聖堂やシャンパンで有名なランス市は、古くから日本とも繋がりがあります。「エコール・ド・パリ」を代表する画家、藤田嗣治(Tsuguharu Foujita)(1886年〜1968年)は、ランスのサン=レミ聖堂で天啓を得て、大聖堂でカトリックの洗礼を受けました。そして、ランス市内に礼拝堂を建設し、内部の壁画とステンドグラスを手がけました。礼拝堂は「フジタ礼拝堂」とも呼ばれ、1992年にはフランス歴史的記念物(Monument historique)に指定されています。
フジタ礼拝堂
藤田嗣治の多くの作品はランス美術館に寄贈されており、愛知県の名古屋市美術館が藤田嗣治の作品を収集していたことから美術館同士の交流が始まり、2017年10月にはランス市と名古屋市は姉妹都市提携しました。
今年で姉妹都市提携してから5周年を迎えることから、記念イベントの一つとしてランス国際交流協会の主催で「ZENウィーク」が開催されました。このイベントは、フランス人が日本をイメージする際のキーワード「禅の精神」をテーマに、日本の伝統文化の認知度向上を図る目的で行われました。
禅の精神と結びついた伝統文化である香道・弓道・茶道・華道・座禅の5つを体験するイベントが行われた中で、パリ事務所は、香道体験に参加しました。講師により香道の歴史から作法まで丁寧に説明が行われた後、実際に3種類(伽羅(きゃら)、真那伽(まなか)、佐曽羅(さそら))の香りを参加者が順に鑑賞しました。
専用の道具を使って講師が香道のデモンストレーションを行う様子
約15名の参加者は、時折質問しながら日本の伝統文化を熱心に体験していました。香道では香木の香りを「聞く」と言いますが、フランス語でも「sentir(〜のにおいをかぐ)」という一般的に使用される動詞ではなく、香道の精神を理解してもらうために「écouter(〜を聞く)」という動詞を使って説明されていました。
香木の香りを「聞く」パリ事務所職員の様子
香道は、味だけでなく香りも楽しむフランスのワイン文化とも相性が良いため、今後、フランスにおいて関心が高まっていくことが期待されています。
同市では日本関連イベントを定期的に開催しており、今後パリ事務所も連携して日本文化の紹介に努めて参ります。
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