日本遺産「日本初『旅ブーム』を起こした弥次さん喜多さん、駿州の旅~滑稽本と浮世絵が描く旅のガイドブック(道中記)~」の魅力と楽しみ方
2020年6月に、静岡県藤枝市・静岡市の東海道に関する歴史や文化が日本遺産に認定されました。「日本遺産」とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化や伝統を語るストーリーのことで、現在全国で104のストーリーが日本遺産に認定されています。
藤枝市・静岡市の日本遺産「日本初『旅ブーム』を起こした弥次さん喜多さん、駿州の旅~滑稽本と浮世絵が描く旅のガイドブック(道中記)~」は、当地域に数多く残る江戸時代(1603年~)の旅にまつわる歴史や文化をストーリーにまとめたものです。
■駿州(藤枝市・静岡市)位置図
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当地域は、日本一高い山「富士山」と日本一深い湾「駿河湾」に囲まれ、古くから日本の東西を結ぶ交通の要衝とされてきました。特に、江戸時代以降は主要な官道であった「東海道」を中心に多くの人や物が行き交い、その往来の歴史とともにさまざまな文化が育まれました。中でも当地域には、江戸時代に起きた「旅ブーム」のきっかけとも言われる浮世絵「東海道五十三次」(歌川広重)や滑稽本「東海道中膝栗毛」(十返舎一九)に登場する美しい景色や美味しい名物が数多く残り、今でも多くの旅人を魅了しています。
■現在の薩埵峠
■浮世絵に描かれた江戸時代の薩埵峠(丁子屋所蔵)
■現在の丸子宿「丁子屋」
■浮世絵に描かれた江戸時代の丸子宿(丁子屋所蔵)
日本遺産の認定を受け、藤枝市と静岡市では、2020年7月に両市の行政及び商工関係団体、観光関係団体からなる「駿州の旅日本遺産推進協議会」を設立し、日本遺産の魅力を広く発信し、多くの方に訪れてもらうための様々な事業をスタートさせました。
「東海道五十三次」などの浮世絵は、19世紀にヨーロッパで大流行したジャポニズムとも所縁が深いことから、2021年6月にはパリ市内の衣料品店で日本遺産のガイドブックを配布するなど、日本国内だけでなく海外に向けての情報発信にも取り組んでいます。その他にも、観光ガイドの養成や古地図を使ったオンラインマップ、伝統の食材を使った食事メニューなど、旅を楽しむためのツールの開発を進めています。
■古地図を使ったオンラインマップ「stroly」(ウェブページ抜粋)
また、当地域は日本茶や抹茶の名産地として知られているほか、美味しい日本酒や海産物などでも有名な場所です。自由な往来ができない時間が続いていますが、コロナの収束後は、ぜひ藤枝市・静岡市にお越しいただき、美味しい食べ物と併せて日本遺産の魅力をたっぷりと味わってみてください。
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