日本酒はフランスで受け入れられるのか。②~フランスでの日本酒プロモーション~
フランスで初めて日本酒コンクールが開催されるなどフランス国内で日本酒が注目され始めてきています。以前、フランスの日本酒市場についてブログで紹介しましたが、今回は、フランスで行われている日本酒プロモーションの様子を紹介します。
前回の記事:「日本酒はフランスで受け入れられるのか。~フランス初の日本酒コンクール開催~」http://www.clairparis.org/ja/clair-paris-blog-jp/blog-2017-jp/1083-kura-master
日本酒プロモーション
日本酒に限らず、地域産品をフランスでプロモーションする方法は大まかにわけて3点あります。1点目はBtoCのアプローチでいわゆる消費者向けのアプローチです。2点目は、BtoBのアプローチでインポーターや小売店などのプロ向けのアプローチです。3点目は、ジャーナリスト向けのアプローチです。フランスで各自治体が行っている日本酒プロモーションも3点に分類できます。
消費者向けプロモーション
自治体の多くは消費者向けプロモーションを行っている印象があります。まず、地元の日本酒を知ってもらうという意味で、消費者向けに試飲会を開催します。前回のブログに記載したように、日本酒を蒸留酒と勘違いしているフランス人も多いため、「日本酒とは何か」を簡単に知ってもらえる手法として、消費者向け試飲会はとてもよい機会になっていると思います。
サロン・ド・サケ(欧州最大級の日本酒テイスティングイベント)の様子
プロ向けプロモーション
プロ向けプロモーションは、実際にフランス国内で販売を行う際にとても重要になってきます。消費者向け試飲会に参加し、「このお酒はどこで買えますか。」という質問をしても「まだフランスでは買えない」という回答で残念だったという声をよく聞きます。実際に、フランス国内で販売できる商流をつくることが地元産品をプロモーションする際には重要になってきます。一方で、商流ができたら終わりというわけではないのも事実です。インポーターが決まっても、その先の小売店が発注してくれなければ意味がありません。自治体によっては、インポーターの商品説明会に参加したり、小売店向けの試飲会に参加したりしているところもあります。
インポーターが小売店等の顧客向けに開催している商品説明会の様子
ジャーナリスト向けプロモーション
地域産品に限ったことではありませんが、ジャーナリスト向けプロモーションも重要です。一自治体で消費者やプロ向けにプロモーションをしても接触する人数には限りがあります。ジャーナリストを活用してプロモーションを行えば、多くの消費者やプロに情報を届けることが可能となります。自治体が実施する試飲会にジャーナリストを招待し、記事にしてもらうというのも有効なプロモーションの一つとなっています。
昨今、フランスで拡大しつつある日本酒市場を狙ってプロモーションを行う自治体が増えています。日本酒を販売する酒蔵、それをサポートする自治体が共通の目標をもって、消費者、プロ、ジャーナリストとそれぞれにアプローチすることでフランスの日本酒市場は更に拡大していくのではないでしょうか。