エスカル・ア・セット ~海と共に息づく、鳥羽の海文化の伝承~
鳥羽市役所 観光商工課 勢力 正太
2024年3月26日から4月1日まで、フランス南部のセット市において2 年に一度開催される地中海沿岸最大の海洋祭りのエスカル・ア・セットに鳥羽市が参加しました。2022年11月に鳥羽市在住の海女兼フォトグラファーの大野愛子氏がセット市で写真展を開催したことをきっかけに、今回主催者側から鳥羽市へ海女文化、海に関する文化、そして鳥羽の観光に関連した日本文化を紹介してほしいとの要望があり参加に至ったものです。
鳥羽市は、日本の自然豊かな観光と漁業が盛んなまちであり、特に、素潜りでアワビやサザエなど水産物を採る女性の漁師「海女」が日本一多いまちとして有名です。
今回、鳥羽市からは、海女・市立水産研究所(海藻の研究)博士・旅館の女将・観光協会・国際交流員・鳥羽市役所から合計7名が参加し、①海女文化を伝えるため、海女に関する講演や写真展示、②鳥羽の海を例に海の環境や海藻の魅力の紹介、③鳥羽の旅館女将による日本文化の紹介(書道・着付け・お茶など)、④海岸景観が魅力である鳥羽の観光をテーマに、鳥羽市の紹介を行いました。
海女に関する講演や写真展示では、幅広い年齢の方々が訪れ、海女の道具も展示してあったことから興味深く話を聞き入っていました。また、海洋に関するテーマを扱うフランスのテレビ番組「タラッサ(thalassa)」から海女に関する撮影の打診があり、今後の海女文化の魅力の広がりを期待しています。
海女についての講演 | テレビ番組の出演の打合せ |
海の環境や海藻の魅力の紹介では、「海の森について」と「海藻が食卓に届くまで」をテーマにスケッチブックに貼った写真やイラストで紹介しました。また、焼き海苔の試食も同時に行い、海苔を食べた小学生らが海苔の味を繊細に表現していたことがとても印象的で、食に対する表現方法の豊富さにフランスの文化を感じました。期間中は一般のお客様以外にも大学の学者、海洋研究者、海藻料理研究家など海藻に関して深く知ろうとする専門家も多く訪れていました。
海藻シンポジウムでの交流の様子 ※海藻の模様が入った風呂敷をお土産に持参 |
海苔を試食する小学生 |
旅館の女将による日本文化の紹介では浴衣体験、水引体験、伊勢茶の提供などを実施し、これらのワークショップは多くの人の行列ができるほど好評で、現地メディアも取材に来るなど、女将という魅力の高さを感じました。
書道と水引体験 | 浴衣の着付け |
鳥羽の観光の紹介では、鳥羽を代表する施設や観光に関するパンフレットを持参しましたが、多くの方々が手に取っていただき、フェスティバル期間の途中でパンフレットがなくなってしまうなど嬉しいハプニングがありました。
また、セット市の市長をはじめ多くの行政関係者と交流することができ、関係性を構築させることが今後のインバウンド観光の前進へと繋がっていくと考えています。
セット市役所で開催された 左:鳥羽市観光商工課 |
今回のイベントでは、行政だけではなく海女、水産研究所博士、女将、観光協会など、それぞれの分野で活躍するメンバーが各々の魅力を現地で表現したことで多くのお客様を引き付けることができ、今後のインバウンド誘客に向けた可能性を感じています。
また、エスカル・ア・セット事務局から2年後の開催の際にも参加のお誘いを受けるなど今後の交流についても期待をしています。今回のエスカル・ア・セットでは鳥羽市の魅力を知っていただけたと感じています。このような活動を続けていき、鳥羽市への来訪者を増加させていきます。
現地のブースで協力していた方々 |
【関連URL】
Escale à Sète
鳥羽市HP
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Dive into TOBA
Fantastique Toba
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