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パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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シンポジウム「伝統的酒造り~守りつなぐ日本の文化遺産」が開催されました!

2023年2月2日に、パリ日本文化会館において、シンポジウム「伝統的酒造り~守りつなぐ日本の文化遺産」が行われました。現在、日本政府は、日本酒、焼酎、泡盛等の日本の伝統的な酒造り技術をユネスコ無形文化遺産に登録することを目指しており、今回のシンポジウムとその後のレセプションは、無形文化遺産登録に向けた取組として開催されました。

シンポジウムでは、独立行政法人酒類総合研究所前理事長の後藤奈美氏、ボルドー大学・ブドウ・ワイン科学研究所のパトリック・リュカ氏、仏・日本酒メーカー「昇涙酒造」グレゴワール・ブッフ氏、農学エンジニア・ワインメーカー・日本酒講師のゴティエ・ルーシル氏によるパネルディスカッションが行われました。英語及びフランス語でのディスカッションは、日本酒造りの歴史に始まり、日本酒とワインの科学的見地からの比較分析が示されるなど、多岐にわたりました。ワインでは「テロワール(Terroir、フランス語で『土地』の意)」という言葉で示されるように、原料となるブドウが栽培される土壌や地形、環境がその出来を大きく左右するのに対し、日本酒では水と酒造りを取り仕切る杜氏の役割が大きいとのコメントがあるなど、とても興味深い内容となっていました。

図1

        シンポジウムの様子

 

また、シンポジウムに引き続いて行われたレセプションでは、日本酒7銘柄と各銘柄の味わいに合わせたメニューが提供され、ペアリング試飲会となりました。ワインの持つ酸味がなく、それ自体が旨味をもつ日本酒は、辛い料理など一般的にワインとは合わせにくいとされる料理とも相性が良いため、日本酒の魅力を広く知ってもらうことができたのではないかと思われます。

クレアパリ事務所もこれまで、日本の地方の魅力をPRする際に、日本酒の試飲を実施してきましたが、こうした日本政府の取組と連動するかたちで、引き続き、さらなる日本酒の広報・普及に尽力してまいります。