あなたが使う言語を選んでください

パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

A+ A A-

第10回「『伝統と先端と』~日本の地方の底力~」 パリ展およびWEB展の開催について

 クレアパリでは、日本の地方に根付いた伝統工芸品や伝統産業技術にスポットを当て、日本の地方が持つ知られざる魅力を発信する企画展「『伝統と先端と』~日本の地方の底力~」を、2022年11月2日(水)から11月19日(土)にかけてパリ会場(パリ日本文化会館)にて開催します。
 本企画展では「衣食住」をテーマに、「衣」として美しく染まったストール、象嵌やビーズのピアスやネックレス、金箔で装飾されたブレスレット、「食」として焼物の急須やカップ、漆を施した椀や小皿、組子細工や木彫りのコースター、「住」として木綿の招き猫や日本の伝統柄が染められた革小物、子どもの健やかな成長を願うひな人形や鯉のぼりなど、日本各地から18自治体の多様な工芸品を展示販売します。
 パリ会場では親子で参加できるワークショップ(要予約)を開催し、木のストローづくりや型染めトートバックづくり、風呂敷の琉球びんがた染め、組子コースターづくりを体験することができます。
日本の伝統工芸品に触れ、その背景にある文化、歴史、技術などを感じることができる貴重な機会に、ぜひ会場まで足をお運びください。
 なお、この他にも展示品の一部や出展自治体について紹介するWEB展を同時開催するほか、パリ展の終了後、モンペリエ展及びリヨン展を実施します。詳細は追ってお知らせします。
 
企画展ロゴ HASHI by STYLE OF JAPAN ①ボトルカバー
                        天然木の塗箸(福井県より出展)     雛人形生地のボトルカバー(高梁市より出展)
 

■主  催:

一般財団法人自治体国際化協会パリ事務所

■会場及び開催期間:

≪パリ展≫

パリ日本文化会館101 bis quai Branly 75015 Paris

2022112日(水)~1119日(土)(日曜、月曜及び祝日休館)

WEB展≫

 https://exposition2022.clairparis.com/

 2022112日(水)~20233月5日(日)

■参加自治体:

東京都、富山県、金沢市、福井県、福井市、長野県、松阪市、木津川市、関西広域連合(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県)、高梁市、備前市、広島市、福岡県、熊本市、沖縄県(18自治体)

 

※「伝統と先端と」展のパンフレットはこちら(仏語)

 

 
【パリ会場におけるワークショップ】
 
①日本の伝統技術「匠の技」エシカルワークショップ(東京都)

 日 時:11月5日(土)①14:00~②15:30〜(計2回)

 会 場:パリ日本文化会館 5階 レセプションルーム

 参加費:12ユーロ/名(材料費込み)

 要予約:各回定員9名、10月4日受付開始(www.mcjp.fr

 「木のストロー」とは、0.15mmの薄いシート状に切り出した木材を巻きあげて作る環境に配慮したストローです。
日本でも近年豪雨による災害が頻発しており、林業の人手不足により間伐されない森林が原因のひとつと考えられています。木のストローを発案した日本の環境ジャーナリストからの発信が発端となり、アキュラホームは、木造建築を手がける企業として、国内の間伐材利用を促すことによる森林環境保全や、廃プラスチック問題の解決による海洋環境保全の一助になればと考え、木のストローの製品化が実現しました。
この木のストローは、木材を紙のように薄く切り出すところにポイントがあり、これは日本の伝統技法「カンナ削り」がヒントとなっています。「カンナ削り」とは木材の表面を削り、滑らかにするために行う製材加工となり、建築の世界で古くは574年頃から今日まで続いている伝統技術です。
今回のワークショップでは、木のストローを手で巻いて作る体験をしていただきます。ひとりでも多くの方に共感いただくことがこの取組みには重要であり、実際に木材に触れ「木のストロー」を通じて環境問題を考える機会となることを願っています。
 
東京:木のストローづくり
 
 
②東京染小紋 型染め体験ワークショップ(東京都)

 日 時:11月5日(土)11:30〜

 会 場:パリ日本文化会館 5階 レセプションルーム

 参加費:15ユーロ/名(材料費込み)

 要予約:定員15名、10月4日受付開始(www.mcjp.fr
     9歳以上が参加可能

 伝統的な染め物の技法(型染め)に触れながら、自分だけのトートバッグを作り、東京の気品を身にまといましょう。
富田染工芸は、日本の伝統的な染色技法である「東京染小紋」を紹介します。この技法は、型紙を使った繊細な模様で注目されています。18世紀から東京の人々に親しまれてきたこの技の進化を知ることができます。この染色技法の美しさと繊細さは、東京の人々の心に深く根ざした美意識の高みに触れるものです。
今回のワークショップでは、最初に東京染小紋についての紹介を行い、その後で準備された型紙を使用してコットンのトートバッグを染めるワークショップを行います。
 
東京:東京染小紋
 
 
③組子コースターづくり(長野県)

 日 時:11月5日(土)17:30〜

 会 場:パリ日本文化会館 5階 レセプションルーム

 参加費:6ユーロ/名(材料費込み)

 要予約:定員10名、10月4日受付開始(www.mcjp.fr
     7歳以上が参加可能、10歳以下は保護者同伴

 組子細工とは、釘を使わずに木を組み上げる伝統的な技術です。
多くの木のパーツを細かく正確に切り出すことで、それらを隙間なく組み合わせることができます。組子の技術を用いて建築された日本最古の建造物である法隆寺の起源は、飛鳥時代にまで遡ります。この技術の繊細な仕上がりは建物だけでなく、家屋の仕切りや小物にも応用されてきました。
今回のワークショップでは、1954年から伝統を受け継ぐ三浦木工製作の木のパーツを組み合わせてコースターを製作し、組子細工の基本を体験していただきます。様々な幾何学模様を取り入れて、自分だけのコースターを作ってみてください。
 
長野:組子コースターづくり
 
 
 ④琉球びんがた 染め体験ワークショップ(沖縄県)

 日 時:11月10日(木)①11:30~②14:30~③16:30~(計3回)
     11月12日(土)①11:30~②14:30~③16:30~(計3回)

 会 場:パリ日本文化会館 1階 教室

 参加費:無料

 要予約:各回定員4名、10月11日受付開始(www.mcjp.fr
     7歳未満は保護者同伴
     ※各回開始時刻の5分前までに会場にお越しください。ご来場が遅れた場合には、予約を取り消しますのでご了承ください。

 「琉球びんがた」は沖縄の地で生まれ育った日本の代表的な染物です。
琉球びんがたの起源は、琉球国が盛んに海外交易を行っていた14~15世紀頃と言われています。琉球王府の保護のもと、当代随一の絵師や彫師が下絵や型紙を分担し、王族や高官・その婦人の礼装や神事の装束として永く重宝されました。華麗な紅型の衣装は、宮廷舞台衣裳としても用いられ、中国からの使者をもてなす際にも披露されました。琉球びんがたは、庶民の民藝ではなく、琉球王府と密接に関わり発展した王朝の工芸品と言えます。
琉球びんがたは、色彩の大胆さと華やかさに特徴があり、日本人が沖縄をイメージする代表的な絵柄となっています。染めは、色差し、刷込み、隈取りの順に色を一筆ずつ重ねて彩色します。特に、隈取りというぼかし染を施す技法により、琉球びんがたに特徴的な陰影や柔らかさが生まれます。
今回は、沖縄から琉球びんがた普及伝承コンソーシアムが来場し、風呂敷に琉球びんがたの染付を施すワークショップを行います。まず講師が琉球びんがたの歴史と技法について簡単に説明します。ワークショップは、講師のアドバイスのもと、びんがた職人が型を使って糊付けを施した風呂敷生地に、参加者が図柄に沿って筆で色を刷り込んでいきます。隈取りというぼかし技法を使うと、よりびんがたらしくなります。色鮮やかなオリジナルびんがた風呂敷の仕上がりをお楽しみに。
 
沖縄:琉球びんがた
 
 
⑤組子細工制作体験(関西広域連合)

 日 時:11月12日(土)①15:00~②16:30~(計2回)

 会 場:パリ日本文化会館 5階 レセプションルーム

 参加費:6ユーロ/名(材料費込み)

 要予約:定員各回10名、10月12日受付開始(www.mcjp.fr

 組子細工は、木を組むことで繊細な模様をつくる日本の伝統的な木工技術です。
創業65年の種村建具木工所では、この組子細工を取り入れた建具だけでなく、建具と和紙を組み合わせた「彩り障子」等を制作しています。
今回ワークショップでは、そんな組子細工と和紙の魅力を身近に感じていただくため、日本の伝統的な模様である「麻の葉」柄のコースターを制作した後に、色とりどりの和紙の中から、お好きなもの数枚をお選びいただきます。
コースターとして使用することのほか、和紙と組み合わせることにより、プチインテリアとして飾ることもできます。
是非この機会に、日本の木工の技術、和紙の美しさを手に取り感じてみてください。
 
関西広域:組子制作

天然木の塗箸(福井県より出展)