パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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海がインスピレーションの源になるとき

鳥羽市観光課

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写真:鳥羽の有人離島の一つ、答志島からの眺め

伊勢志摩国立公園の伊勢湾に面した鳥羽は、波の音海の恵みが迎えてくれる町です。見渡す限りの島々、そこに住む人々と海の強い結びつきを感じることができます。

そして鳥羽は、アワビやサザエ、海藻等を獲る強い女性「海女」の数が日本一多い都市でもあります。この地で2000年続く海女漁の伝統は多くの作家を魅了してきました。フランス人作家の Cédric Morgan氏 は、鳥羽での滞在後2021年4月に『Les sirènes du pacifique』という本を出版しています。

 

彼は鳥羽の重要な博物館である「海の博物館」石原義剛前館長(2018年9月逝去)に取材を依頼しました。それは、異文化との出会いについて、また日本におけるこの博物館の特殊性について、いくつかの質問をさせてもらう機会となりました。

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海の博物館インタビュー

インタビュー:石原真伊事務局長

(取材者:鳥羽市国際交流員【JETプログラム参加者】カゾ・ポーリン
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Cédric Morgan氏 とのミーティングはどうでしたか?

彼は長年、海女を題材にした小説を書きたいと思っていたそうですが、当館に連絡をくれたのは通訳を通じて2016年2月のことでした。その年の10月に鳥羽に滞在し、海女さんたちに直接会いたいというのが彼の希望でした。

私たちのアドバイスを受けて、彼は鳥羽の島の一つである答志島に滞在し、地元の人たちや海女さんを紹介することができたのです。答志島からは、作家の三島由紀夫が影響を受けた神島や、海女さんがいる菅島に行くことができるので、良い立地条件でしたね。

博物館に対して取材の依頼は頻繁にありますか?

実は、この博物館には多くの外国人観光客が訪れています。前石原館長はフランスにも行ったことがあり、海女という文化を世界に知ってもらうために、海女に関係する依頼はすべて受けるようにしていました。現在も、特に海女文化にインスピレーションを受けるアーティストからの依頼が続いています。

海外では、日本における海女を真珠獲りとして紹介され、誤解されることが未だ多いようです。海女について執筆されるのにこの作者を信頼できると思ったのはなぜですか?

日本まで足を運び、海女さんに会いたいと言ってくれたことだけでも、信頼の証です。海女さんと直接話すことで、海女さんの漁や生活について本当の姿を理解できるようになります。

今後の博物館のビジョンについてお聞かせください。

当館は、有形・無形の海に関する資料の保存・保全を主な目的としています。さらに、海女や漁師、海の日常を詳しく伝えるだけでなく、現在の変化や課題を浮き彫りにすることで、海の文化がいかに危険だが素晴らしいものであるかを伝えています。これからもその役割を担いながら、最初は海に興味がなかった人にも届くように、さまざまな角度から紹介していきたいと思います。

鳥羽を訪れたいフランス人にメッセージをお願いします。

 

海の博物館を見学し、そのあと漁村を歩いたり、住民(海女さんや漁師さん)と交流したりすると、鳥羽観光がもっと楽しくなるはずです。

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海の博物館にまつわる面白い話
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 海の博物館は、都会の喧騒から離れた浦村地区にある、日本で唯一人間と海のつながりをテーマとした公立博物館です。貴重な民俗資料(2021年3月時点で62,735点)や、印象的な木造建築物等、魅力的な要素はいくつもあります。

他に類を見ない建物

7年以上かけて建てられた建物にも注目することをおすすめします。建築家・内藤廣が手がけたその壮大な建築は、景観に溶け込むように何もかもを残しているのです。丘の上に立つと、高床式の博物館と砂利の海が目の前に広がり、ブロンズボート(船形の彫刻作品)が停泊しているのが見えます。雨の日には、この風景が小さな池として生まれ変わります。

船の隠し箱

昔から船を作るとき、船大工は船体の中に「船霊様」と呼ばれる箱を隠しておく。箱の中には、一対の紙人形、硬貨、サイコロなど、海上で船乗りを守るためのお守りがいくつか入っています。

日本各地の木造船の実物が90点以上展示されている同館の船の収蔵庫で見ることができます。

特別な日のためのカラフルな旗

大漁旗は、船に掲げられるカラフルな旗のことです。この大漁旗の意味は、多くの場合、豊漁を意味します。大漁の日やお正月、全国から船乗りが集まる鳥羽の青峰山正福寺の「御船祭」のように、この地域のさまざまな海の伝統的な行事の際に掲げられます。

日本各地のタコツボ

タコツボ(蛸壺)とは、タコを捕るための素焼きでできたツボ型の陶器です。鳥羽の漁港で見ることができます。タコツボには通常、漁師の名前の字が書かれており、一目でわかるようになってます。日本各地の漁村には、それぞれのタコツボがあります。

神社で絵馬のように願い事を書くためのアワビ貝

信仰と祭りのコーナーでは、海に関連して行われたいくつかの祭りや風習を見ることができます。漁村にとってアワビは、神様へのお供え物を入れたり、魔よけにしたり重要です。最近では、アワビの貝殻の真珠層に願い事を書いて絵馬として飾ったりしています。

海民の伝統、 海民の信仰と祭り、 海の汚染、鳥羽・志摩の海女、伊勢湾の漁、志摩半島・熊野灘の漁と木造船と航海の7つのコーナーがあり、企画展示のほかにも発見があります。お楽しみに。

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もっと深く知りたい方と海女の日常生活を掘り下げたい方:

① 海の博物館ホームページ(英語) http://www.umihaku.com/english/index.html

②  鳥羽市観光協会 (英語)http://toba.gr.jp/en/

③ Cedric Morganの著書『Les sirènes du Pacifique』https://www.mercuredefrance.fr/les-sirenes-du-pacifique/9782715254770

④鳥羽市を紹介する「Fantastique Toba」(フランス語)
インスタグラム   https://www.instagram.com/fantastique_toba
フェイスブック  https://www.facebook.com/Fantastique-Toba-101711889104507

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