2月~3月 日欧地域連携ヘルプデスクウェビナー 日欧地域連携の好事例を発信しました!
クレアでは、日欧地域連携の更なる発展を支援するため、アルザス欧州日本学研究所(CEEJA)と連携し、日本と欧州の地域間の産業連携の好事例を紹介するウェビナーを開催しています。
2021年12月のウェビナーに引き続き、2月には「兵庫・神戸/ドイツ北部の地域間連携から 医療分野の未来に向けて」と題し、医療分野における公益財団法人神戸医療産業都市推進機構とドイツ産業クラスターの地域連携、3月には「三重県とスペイン・バスク州の多様な地域連携 ~産業、食、巡礼道~」と題し、三重県とスペイン・バスク州との産業・食・巡礼道に関する地域連携の好事例を取り上げました。
ウェビナーを通し、地域連携を成功させるための様々なポイントが紹介されました。録画映像(英語のみ)は、日欧地域連携ヘルプデスクのHPよりご覧いただけます。
→ https://my.duda.co/site/6815427d/ja/best-practices5de790d2#1558017764
【ウェビナー概要】※日英同時通訳、ZOOM、参加無料
2021年度 第3回ウェビナー 「兵庫・神戸/ドイツ北部の地域間連携から 医療分野の未来に向けて」 |
1.日時 |
2022年2月18日(金)17時~18時(日本時間)/9時~10時(中央ヨーロッパ時間) |
2.プログラム |
(1)挨拶 日欧産業協力センター専務理事・駐日欧州連合代表部 公使参事官 フィリップ・ドゥ・タクシー・ドゥ・ポエット 氏 (2)プレゼンテーション ・講演① 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構クラスター推進センター チーフ・コーディネーター 笹山 美紀子氏 ・講演② ライフ・サイエンス・ノルド (ドイツ) 国際関係マネージャー サラ・ニーマン 氏 MAGIA2MARKETアライアンス シモン・ギュダン氏(リヨン・ビオポール(フランス)国際関係部局責任者) (3)パネルディスカッション ・公益財団法人神戸医療産業都市推進機構クラスター推進センター チーフ・コーディネーター 笹山 美紀子氏 ・ライフ・サイエンス・ノルド (ドイツ) 国際関係マネージャー サラ・ニーマン 氏 ・MAGIA2MARKETアライアンス シモン・ギュダン氏(リヨン・ビオポール(フランス)国際関係部局責任者) ・一般財団法人自治体国際化協会 パリ事務所 所長 野村 知宏 (4) Q&A |
2021年度 第4回ウェビナー 「三重県とスペイン・バスク州の多様な地域連携 ~産業、食、巡礼道~」 |
1.日時 |
2022年3月15日(火)17時~18時(日本時間)/9時~10時(中央ヨーロッパ時間) |
2.プログラム |
(1)挨拶 日欧産業協力センター専務理事・駐日欧州連合代表部 公使参事官 フィリップ・ドゥ・タクシー・ドゥ・ポエット 氏氏 (2)プレゼンテーション ・講演① 三重県雇用経済部 国際戦略課 班長 坂本克明 氏 ・講演② バスク・トレード コンペティティヴ・インテリジェンス/パブリック・ファイナンス マネージャー アルバロ・グティエレス氏 (スペイン) (3)パネルディスカッション ・ 三重県雇用経済部 国際戦略課 班長 坂本克明 氏 ・ バスク・トレード コンペティティヴ・インテリジェンス/パブリック・ファイナンス マネージャー アルバロ・グティエレス氏 (スペイン) ・ SAIOLAN プロジェクト・デベロッパー イラツェ・ アチャ氏(スペイン) プロジェクト・デベロッパー アルフォンソ・パルド氏(スペイン) ・ 一般財団法人自治体国際化協会 パリ事務所 所長 野村 知宏 (4)Q&A |
◎日欧地域連携の成功のポイント等◎
(第3回ウェビナーより)
・国際展示会や国際商談会に積極的に参加している。例えば、海外のベンチャー企業向けに国際シンポジウムやピッチイベントを開催したり、コロナ以降は、オンラインシステムでグローバルウェビナーや勉強会を行っている。
・密接に重ねた協議をベースに、2014年にJETROの地域間交流支援(RIT)事業に選定されたことにより、代表団が何度か相互訪問した。それに企業や研究機関も加わり、両国に橋を架けてきた。毎年開催される見本市などで日独企業が出会う機会もつくっている。2016年に基本合意書の形でパートナーシップを結び、2018年に更新している。2019年には、ライフサイエンスの枠を超えて、ハンブルク市長が神戸市を訪問し、その機会に企業も参加し、シンポジウムも併せて開催された。RIT事業のおかげで実り多い連携を実現できている。
・現在、二地域の関係から欧州との関係へも広がりを見せている。メドテック分野での国際的な連携を図るプロジェクト“MAGIA2MARKET”は、欧州(ドイツ、フランス、ベルギー、イタリア)の4つのクラスターのアライアンスである。メドテック中小企業の欧州域外への国際展開支援が狙いで、米国、中国、日本が主なターゲットである。このアライアンスでは、信頼できるパートナーを選び、絆をつくり、そのパートナーがターゲット国への入口になってくれるという考え方を持っており、実際に成果が出ている。神戸との信頼関係を築いてきたおかげで、それをきっかけに日本市場に参入でき、サポートをもらえている。一方で、日本の企業が欧州に参入したいときには、同アライアンスがコンタクトポイントになれるし、また各市場に参入する際のコンタクトポイントへ協力を仰ぐこともできる。
・欧州側にとって、MAGIA2MARKETのようなアライアンスは、様々な経験を持っている企業がその中にいることから、同じような問題を抱えた際にアドバイスを受けられたり、異なるマーケットへの参入にあたっても既存の知識集積のメリットを得られる。日本側にとっても、地域間の連携から欧州との連携という規模が広がったことにより、ビジネスチャンスが広がり、これまで考えもしなかったアイデアや技術に出会える可能性が高まる。大きな枠組みの中で活動することで 研究開発や事業展開で経験した困難を乗り越えられると思われる。
・今回の事例では、医療機関、研究開発機関、企業などクラスターを集積する地域全体が、他国のクラスターとの連携を推進することで、ビジネスの世界展開、研究機関同士の共同研究といった複合的な成果を生み出している。共通のテーマを有する二地域の連携実績の積み重ねが行政レベルでの協力関係にも発展し、更なる発展につながっている。また、MAGIA2MARKETとの連携のように、二地域に限らず、第三国を含めた拡張性の高い連携がクラスターの発展を更に促している。
(第4回ウェビナーより)
・自動車部品メーカーが県内に立地をしたことが地域間交流のきっかけであり、2018年に覚書を締結、2019年には県知事がバスク州を訪問し、産業、食、巡礼道における連携に合意した。料理人の交流や食産業の交流、写真展の相互開催等を実施しており、共通点のある固有のテーマを足掛かりに協力していくことで、連携関係に広がりをもたらすことができている。
・自治体のみならず、民間団体も含めた多様なプレーヤーの存在が重要であり、それぞれのプレーヤーがもつネットワークにより重層的な関係を形作ることができる。各種プレーヤーが繋がることで地域と地域が全体として、点ではなく面として交流し、強い絆が結ばれ、連携の成功のポイントとなる。
・産業面での連携では、MOU締結や相互訪問といった組織的なリーダーシップ、BtoBマッチング、文化理解の3つの柱を持っている。BtoBマッチングでは、スクリーニングを行い、お互いに能力のもったところが顔を合わせられるようにし、双方の企業に対する支援をしている。バスク・トレードは、日本の企業に対する欧州市場の門戸開放を狙っており、バスクの企業に対しても日本市場にアクセスできるようにしている。協力して共同オファーをするという動きも出ており、欧州市場を開拓している。
・互いの関心、特殊性や、双方の文化・伝統を理解することで、信頼関係を築き、その関係をもとにサクセスストーリーを紡ぐことができる。関係の構築は、短期で成し遂げられるものではなく、長期的に考えていくことが必要だ。