横須賀市・ブレスト市姉妹都市提携50周年に係る交流活動について

2021年07月20日

横須賀市市長室国際交流・基地政策課

　横須賀市は人口約 39 万、面積は 100.82 k ㎡、日本の真ん中辺りにある神奈川県の三浦半島に位置する都市です。首都・東京にも電車で１時間弱と便利な首都圏にありながら、豊かな自然にも恵まれ、穏やかな気候のとても過ごしやすいところです。

　世界４都市に姉妹都市があり、フランス・ブレスト市とは日本の近代化と横須賀市の発展の礎となった「横須賀製鉄所」の建設に貢献したフランス人技師、フランソワ・レオンス・ヴェルニーが勤務をしていた海軍工廠がブレスト市にあることから、1970年11月26日に姉妹都市提携を結びました。以来、首長等の相互訪問、市民訪問団による交流や、毎年夏には高校生を相互に派遣し、若者の国際理解と友好関係を深めています。また、2004 年からは職員交流として、毎年約４週間ずつ職員を相互派遣し、互いの行政課題や取り組み事例を学び、それぞれの行政運営の参考にするとともに、両市の交流・友好の促進、両市職員の国際化意識の向上を図ってきました。

　2020 年は姉妹都市提携50 周年を迎え、次の半世紀に向けて、更に絆を深めるきっかけとなる記念セレモニーや両市の若手音楽家による演奏会など、様々な事業を実施する予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大により渡航が制限され、交換学生や訪問団の相互派遣は中止、日本では大型イベントの開催も制限されたことから、記念事業だけではなく、毎年11月に本市ヴェルニー公園で開催している「ヴェルニー・小栗祭式典」も多くの来賓を招いての開催は厳しくなりました。

　そのような中、全ての事業を中止するのではなく、コロナ禍でも実施可能な形を検討した結果、横須賀市・ブレスト市姉妹都市提携 50 周年記念～ヴェルニーと小栗がつないだ絆～と題した動画を作成し配信することとしました。そして昨年11月、ヴェルニー公園に隣接した商業施設の協力もあり、ショッピングモールに設置した大型モニターでの動画配信に併せ、50周年記念のパネル展も同時開催しました。動画にはフランソワ・キュイヤンドルブレスト市長とフィリップ・セトン駐日フランス大使からいただいたビデオメッセージのほか、ブレスト市の紹介ビデオ、日本の海上自衛隊音楽隊の演奏なども盛り込み、ショッピングモールに買い物に訪れた多くの方が大型モニターの前で足を止めてくださいました。

　その後、動画はソーシャルメディアでも配信を続け、結果的には例年の式典来場者を上回る方が視聴してくださっています。

　2021年５月末、ヴェルニー公園内に「よこすか近代遺産ルートミュージアム～ティボディエ邸～」という新しい施設が横須賀にオープンしました。これは横須賀製鉄所の副首長であったジュール・セザール・クロード・ティボディエの官舎を、保管してあった当時の部材を活用して再現した建物です。ティボディエ邸は、横須賀の歴史や文化、自然を観光ルートとしてつなぎ、市内全体を大きなミュージアムとして楽しむ「よこすかルートミュージアム」のガイダンスセンターの役割も果たします。開館式にはセトン大使にもお越しいただきました。今後、コロナが収束し、キュイヤンドル市長、ブレストの友人たちなど多くの方をまた本市にお迎えし、この施設をご案内できることをとても楽しみにしています。そして渡航制限が解除されれば、フランスから国際交流員も本市に来る予定です。新しい国際交流員の活躍で、姉妹都市ブレスト市をはじめフランスとの交流が益々活発になることを期待してやみません。

01 横須賀市長