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パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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ファッションが拓く交流、パリと東京の公立高校がパートナーシップ協定を締結

 3月13日、パリ市にある公立のポール・ポワレ高校において、同校と東京都立忍岡高校との間のパートナーシップ協定が締結され、クレアパリ事務所も立ち合いました。
 この協定締結は、昨年5月に、仏国民教育省の機関であるアカデミー・ド・パリと東京都教育委員会との間で締結された覚書を踏まえた交流の一つとなります。フランスにおいては、高校の施設は州が設置するものの教育課程等は国が所管するため、都教育委員会と仏政府機関が覚書を締結することとなったものです。この覚書に基づき、両者は、言語教育、文化、オリンピック・パラリンピック教育の推進を主なテーマとして、学校間交流、児童・生徒や教職員の交流及び情報交換といった分野で協力を進めています。

  都立忍岡高校は、普通科と生活科学科を併せ持ち、服飾や調理、保育に関する専門教育を行っています。また、ポール・ポワレ高校では服飾や演劇の専門家を養成するための教育が行われており、服飾に関する専門教育という共通点からパートナーシップ協定締結に至りました。パートナーシップ協定を締結したことで、今後両校の間で生徒や教員の交流の具体化に向けて協議が進められていくことになります。

 締結当日は、コロナウイルスの感染拡大を受け、翌週からフランス全土の教育機関が閉鎖されるというタイミングとなり(パリは小学校が5月11日から再開、中学・高校は5月末に6月以降の再開を判断予定)、ポール・ポワレ高校もその対応に追われていました。フランスではある程度オンラインで教育を進めるプラットフォームが整っており、教育機関が閉鎖されたとしても、教育が止まってしまうことにはならないそうですが、学校にある設備を使用しなければ進められない実習など、専門校ゆえの課題もあるようでした。各教室では、先生が生徒たちに対して授業を進めつつ、同時に閉鎖中の宿題などについても説明している最中でしたが、そのような状況の中でも同校の校長自ら校内を案内して教育の理念や内容を説明するなど、交流に向けた期待の大きさが感じられました。

 ポール・ポワレ高校は服飾の専門家を養成するカリキュラムに富んだ学校だけあって、廊下にはトルソーや制作作品が並び、それぞれの教室には服飾を学ぶためのありとあらゆる設備、教材が揃っていました。同校では、一度別の高校に進んだものの、改めて服飾を学びに入学した生徒や、普段は服飾関係の仕事をしつつ、同校が社会人向けに提供している短期プログラムを受講している生徒など、幅広い生徒が学んでいます。どの生徒も真剣な面持ちで授業を受けており、視察で教室を訪れた際には、自分が受けている授業内容を詳しく説明してくれる生徒もいました。異なる国の生徒と共通の分野を通じて交流することが、新しい刺激、視点をお互いにもたらすことは間違いありません。

 締結に際しては、両校の校長や教員に加え、アカデミー・ド・パリからも職員が同席、交流内容について積極的にやり取りするとともに、両校でのコロナウイルス対応について意見を交わすなど、幅広い議論が活発に行われました。

 コロナウイルスの感染拡大により日仏間の人の往来が難しくなっており、自治体交流へ影響も懸念されますが、クレアパリでは引き続き支援を続けて参ります。

 

 

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協定書を交わした忍岡高校岡島校長(左)とポール・ポワレ高校Sabatier-Crueise校長(右)

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ポール・ポワレ高校校長による学校案内

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生徒による授業内容の説明

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専門校らしく校内に並ぶトルソーや作品

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校内に展示される生徒の作品の一部

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今後の交流内容に関する活発な議論

 

 

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