2つの国際スポーツ大会-RWC・WWHCh-を契機とした交流の取組みについて
熊本国際スポーツ大会推進事務局
2019年、熊本県において「ラグビーワールドカップ2019(RWC)」及び「女子ハンドボール世界選手権大会(WWHCh)」の2つの国際スポーツ大会が短期間に相次いで開催されました。
まず、RWCでは、本県で10月6日(日)にフランスvsトンガ、10月13日(日)にウェールズvsウルグアイの2試合が行われ、両試合ともチケットが完売し、観戦者の合計が約56,000人となるなど、大変に盛り上がりました。熊本市内中心部に設置したファンゾーンでは、日本戦のパブリックビューイングを中心に多くのラグビーファンで溢れました。ファンゾーンでは、本県の文化等を紹介するイベントも実施し、多くの海外からのお客様にもお楽しみいただきました。RWCの本県における経済効果は、事前の試算約98億円を上回る約107億円と推計されています。
また、WWHChでは、11月30日(土)から12月15日(日)の16日間にわたり日本代表「おりひめJAPAN」、前回大会優勝のフランスをはじめ、世界24ヵ国の強豪が本県で全96試合を行い、こちらも315,000人を超える観戦者を集め、大盛況のうちに終了しました。
両大会ともにフランス代表が出場し、大会期間中、県内各地で多くのフランス人の姿を見ることができました。特に、RWCにおいては、本県で試合を行った4ヵ国・地域が熊本市内で公認キャンプを行いましたが、その中でもフランス代表は、9月23日(月)から10月10日(木)までの18日間という長期滞在となり、熊本市内の小中学校訪問や、水前寺成趣園参道の方々が主催したおもてなしイベント等を通じて多くの県民との交流の機会を持つことができました。学校訪問では、ラインアウト体験や選手とのタグラグビー等を行い、水前寺成趣園では、野外能楽堂での能の体験、また、餅つきや和服の着付けなどで交流を深めました。このような交流に加え、担当職員やフランス人のJETプログラム国際交流員(CIR)の細やかな気遣いといった本県の受入態勢やおもてなしに対して、チームから「県民に直接感謝の気持ちを伝えたい」との申し出があり、急遽、ファンゾーンで県民と触れ合う時間を設けました。
なお、本県での2試合の開催に向けた機運醸成や歓迎のため、交通拠点や中心市街地の装飾や主要道路の改修・清掃等も実施し、本県にいらっしゃるすべての方々に「熊本に来て良かった」と満足いただけるよう、オール熊本で取り組みました。
本県では2つの国際スポーツ大会の開催から得られる様々な成果を、レガシーとして継続させるため、レガシープログラム「くまもとハロー(HaRO*)プログラム」を2016年に作成し、その取り組みの4つの方向性である、①震災からの復興の姿の発信、②スポーツの普及と振興、③インバウンド観光の推進、④国際交流の促進、に基づき事業を推進してきました。
両大会の開催を契機として、会場となった競技場が国際基準に合わせて整備され、また、受入態勢の向上等がなされたことから、本県としては、日本が開催国に立候補している「FIFA女子ワールドカップ2023」において、ぜひ、フランス代表女子サッカーチームにベースキャンプを行っていただきたいと思います。
今回、2つの国際スポーツ大会を通じて、県民のフランスに対する理解も深まったことから、次回ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピック開催国であるフランスとは、今後とも、スポーツはもとより経済、文化等の交流を拡げていきたいと考えています。
*「HaRO」:2019~2020年に開催される「Handball・Rugby・OlympicParalympic」の頭文字から命名。
水前寺成趣園を訪れたラグビーフランス代表チーム
能を体験する選手たち
フランス代表チームによる小学校訪問
盛り上がるファンゾーンの様子
ファンゾーンでの選手との交流
商店街を彩った参加各国国旗
熱い声援を送るフランスのファンたち