パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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パリで輝く金沢箔の魅力!=仏パリ「伝統と先端と」展に初出展

 2020年1月21日(火)から2月1日(土)まで、パリ日本文化会館にて、第7回「伝統と先端と~日本の地方の底力~」展(クレアパリ事務所主催)が開催されました。今年は、ジャポニスム2018があった昨年を上回る全国17自治体が参加し、金沢市が初めて出展しました。同市は今回、金沢を代表する伝統工芸の一つである金沢箔に特化して歴史や魅力をPRすることで知名度向上と販路開拓につなげようと出展の運びとなったものです。

 

1 金沢箔の技とモノ、フランス人を魅了

 会期中の1月31日(金)、2月1日(土)の2日間には、箔職人で伝統工芸士の津田朝喜氏、箔貼り職人の寺本健一氏が会場で箔の実演を行いました。津田氏は、一万分の一ミリの金箔を紙からはがして竹枠で正方形に切る「箔うつし」を、寺本氏は石川県の観光PRマスコットキャラクター「ひゃくまんさん」の置物に金箔を貼り付ける「箔貼り」の作業工程を披露しました。職人から、金沢箔の製造には400年以上の歴史があり、現在、金箔の国内生産高の99%以上を金沢が占めていること、金沢箔は仏壇や漆器など多くの工芸品に活用されているほか、金閣寺や日光東照宮などの世界遺産の修復にも用いられていること、フランスと異なり、日本の金箔は装飾だけでなく木造の建造物や仏像の防虫目的もあるため、薄くなっていることなどが説明されると、来場者からは驚きの声が上がりました。
 また、来場者は一時間以上も金箔の繊細な輝きと匠の技に見入り、「箔うつしの紙は何でできているのか」、「切り落とした箔はどうするのか」、「一つのインゴットからどれくらいの箔が作れるのか」、「フランスの箔との違いは」、「一人前の職人になるには、どれくらいかかるのか」など質問を重ね、その関心の高さに職人たちも驚かされていました。実演後には、金沢箔を施したレースのアクセサリーから、食用金箔を包んだ折鶴、金箔をあしらった器やオブジェ、金箔うちわまで衣食住のテーマにまつわる数々の出展品も熱心に鑑賞していました。

 

2 (元)JETも活躍!フランス金箔職人、大使夫妻も来場

 今回の金沢箔のプロモーションには、金沢市国際交流専門員マチルダ・デュボワ氏(元同市JETプログラム国際交流員(CIR))も同行し、同市での5年を超える勤務・生活経験を活かし、職人の専門的な説明をフランス語で、現地の人々に的確かつ分かりやすく伝えていました。
 会期中には、過去にベルサイユ宮殿の内殿の修復を手掛け、金沢に来訪経験もあるパリ在住の金箔修復家アラン・プティ氏が会場を訪れ、職人同士の交流を深めました。
 最終日には、伊原純一駐フランス日本国大使夫妻が会場に足を運び、実演の様子や展示をじっくり見学しました。また、職人には熱心に質問するとともに、ねぎらいの声をかけました。

 

3 パリ初出展の確かな手応え

 今回のテストマーケティングの結果ですが、金沢市から出展した事業者4社すべてが売り上げをあげるなど、同市は欧州市場での販路開拓に確かな手応えを感じていました。職人による実演期間中は、特に売れ行きが上がり、実演により「見る」こと、職人の言葉で「分かる」ことで金沢箔の魅力をさらに効果的に伝えることができたようです。職人が金箔を切り揃えるさまを見せながら、切り落とした箔は食用に用いられるとの説明をした後には、食用金箔を包んだ折り鶴が立て続けに買い求められたこともあったそうです。同市は、来年度も同企画展を活用しての伝統工芸品のプロモーションに意欲を見せており、今後、工芸を切り口として「金沢」の知名度がますます高まることが期待されます。

 

4 パリの実験室:地域の魅力発信、テストマーケティングの舞台

 今回の企画展には、金沢市を含む全国17の自治体が出展し、会期中は一日平均約600人の来場者数を記録しました。また、ほぼすべての自治体で売り上げがあがるなど、日本の伝統工芸品への関心の高さと海外販路開拓への可能性が感じられました。展示会場では、説明員が地域の工芸品の案内とともに、フランス人から製品に対する率直な意見を聞き取り、フィードバックも行うため、今後の課題やヒントも見つかり、どの自治体にとっても効果的なテストマーケティングの機会になります。

 

5 令和2年度は10月にパリ+リヨン、テーマは「食」

 来年度、第8回目となる「伝統と先端と」展は、今年10月から11月にかけ、例年より規模を拡大し、以下のとおり、パリに加え、美食の都リヨンで、テーマを「食」として食器、酒器、食卓を彩るもの、調理器具など食につながる工芸品で実施します。現在、クレアパリ事務所では参加自治体を募集しています。欧州への情報発信、テストマーケティングの機会としてぜひ活用をご検討ください。詳しくはこちら

<第8回「伝統と先端と~日本の地方の底力~」展>(予定)
 ■開催日時:
  パリ会場  2020年10月6日(火)~10月17日(土)
  リヨン会場 2020年10月21日(水)~11月15日(日)
 ■会  場:
  パリ会場  パリ日本文化会館
  リヨン会場 リヨン国際美食館(ユネスコ世界遺産フランスの美食文化の情報発信拠点)※日本を初招待国とする日本食月間で開催
  
 ■事業内容:
  ・食に関する伝統産業技術を活かした製品等の展示や会場内での販売
  ・出展品等に関連する地域の魅力を効果的に発信する企画イベントの実施
 ■申込方法:
  令和2年2月28日(金)までに申請書類をメールにて提出

 

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繊細な箔の作業工程の実演(左より、寺本氏、伝統工芸士の津田氏、デュボワ氏)

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一万分の一ミリの箔の薄さを体験

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職人の説明に思わず驚きの声を上げる来場者

 

<衣食住のテーマにまつわる数々の出展品>

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「衣」:金箔を施したレースのアクセサリー

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「食」:食用金箔を包んだ折鶴、金箔をあしらった皿

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「住」:金箔ボールペンやカードミラー、うちわなど