南仏の日本文化の祭典「マルセイユ秋祭り」で、東京オリパラホストタウンほか自治体をPR
10月5日、6日の2日間、人口87万人、フランス第二の都市で神戸市の姉妹都市でもある南仏マルセイユ市のボレリー公園で、在マルセイユ総領事館・マルセイユ市共催で「第8回マルセイユ秋祭り」が開催されました。
「南仏の日本文化の祭典」とも言うべきこのお祭りでは、ステージにおいて落語や着付け、コスプレショーなどが行われたほか、武道、紙芝居、ラジオ体操などの実演、盆栽、将棋、生け花をはじめ多くのアトリエの設置により、2日間で延べ1万3千人以上の来場者が多種多様な「日本」を体感しました。中には、ヨーヨー釣りを楽しみ、大切そうに水風船を手に抱える子どもたち、「盆踊り会場はどこですか?」と質問する小さな女の子、公園のあちこちでラーメンやカレーなど日本のB級グルメを楽しむ家族の姿もあり、さながら日本の縁日にいるかのようでした。
クレアパリはブースを出展し、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会のホストタウンを中心に各地の自治体の観光パンフレットを配布したほか、在マルセイユ総領事館のご協力のもと、岩手、山形、宮城、福島、栃木、石川、岐阜、兵庫、山口、香川の地酒19銘柄の試飲を通じて、来場者に本物の日本酒の味を楽しんでもらうなどのPRを行いました。
気持ちの良い秋晴れの中、ブースには訪日旅行を数か月後に控えた方やいつか日本に行きたいと情報収集に訪れる方、子どもや孫が日本好きだと嬉しそうに話す方、初めての日本酒を興味津々に手に取る方など、大変多くの方に訪れていただくことができました。
パンフレットを手にした方からは、「どの季節に日本を訪れるのがおすすめか」「本物の武道を見るにはどの地方に行くとよいか」「九州に行くことを考えているがどこを訪れるのがおすすめか」といった具体的な質問も相次ぎ、多くの方々が日本に高い関心を抱かれていることを実感しました。そして例えば、弓道のアトリエに来られている方は、奈良県田原本町の流鏑馬(やぶさめ)のイベントのチラシを興味深げに持ち帰ったりしていました。
また、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会におけるホストタウンの取組に関する資料を興味深い様子で持ち帰る方も多くいました。
一方、日本酒については、「sake」という単語を知っている人は非常に多いものの、フランスのいわゆる日本料理店で「sake」として供される中国の蒸留酒のイメージが強いのか、日本酒はアルコール度数が高くて強いお酒と誤解している人もまだまだ多く、度数は大体15度から17度ほどでワインとそれほど変わらない食中酒と説明して試飲すると、多くの方がその美味しさに非常に驚いていました。今回、クレアパリのブースで日本酒を初めて口にする方も多かったものの、非常に好評で、準備していた52本の日本酒は2日間ですべて無くなりました。辛口、甘口、芳醇なものなど日本酒を飲み比べ、白ワインのようだと驚いたり、楽しそうに日本地図に自分なりの評価を記入する方や、まるでワインのテイスティングをするように香りを楽しむ方もおり、また、「地域によってこれほど日本酒の味が変わるのはなぜか」、「日本人は熱燗や冷やなど、どのようなときに日本酒の飲み方を変えているか」といった質問も数多く寄せられるなど、反響は非常に大きいものでした。
また、「買いたいがどこで買えるのか」といった質問が非常に多く、今回はまずは認知度向上といった観点での試飲で、フランスで販売されていないものや、パリでの取り扱いはあるお酒が多かったため、こうした質問にはフランス国内でネット販売されているものなどのサイトを案内したり、名前をネットで検索してもらったりしました。日本酒に詳しくない方の中には、いわゆるジャケ買いのように瓶やラベルのデザインで試飲する日本酒を決める人もおり、自分の好みだった日本酒の写真を撮り検索したり、また、家に飾ると言って瓶や箱を喜んで持ち帰る方もいました。フランス第二の都市ということもあり、その市場の可能性も実感されました。
このように、フランスの地方においても、日本や日本の文化、食への興味、関心は、非常に高まっています。クレアパリでは、今後も機を捉え、日本各地の魅力をフランスの方々に向け発信していきます。
日本酒の試飲に興味津々の方々
自治体のパンフレットを手に取る方々
職員から説明を受ける来場者
姉妹都市である神戸市のお酒を手にとるマルセイユ市の副市長