パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

A+ A A-

海外自治体幹部交流協力セミナー2019を東京・静岡で開催!

 海外自治体幹部交流協力セミナーは、フランスの自治体の事務総長などの幹部職員を日本に招へいし、地方自治体の現場の視察や行政施策に関する意見交換などを行う、クレアが日本の地方自治体の協力のもと行っているプログラムです。今年度はブルターニュ州やグラン・テスト州などのコミューンやコミューン共同体からの自治体幹部職員5名(下記参照)が参加し、7月29日から8月7日までの期間、東京都と静岡市(静岡県)で「市民一人ひとりの『暮らしの充実(安心・安全の確保)』を図る取組み」というテーマのもと、セミナーを開催しました。

(東京プログラム)
 東京では、明治大学の木村教授から日本の地方行財政制度について講義を受講し、地方行財政制度を所管する総務省を訪れては地方公務員制度等について説明を受け、両国の社会情勢や地方自治制度の相違について意見交換を行い、知見を深めました。
 また、今回のテーマに基づいて、安心して歳をとることが出来る暮らしの実現を目指し、ロボット技術を活用して「人」を支援する環境づくりを行う「大和ハウス工業(株)」や最先端技術を活用して大型スタジアムの避難誘導システム開発などの危機管理の取組みを行っている(株)リコーの「RICOH BIL Tokyo」、水防のための世界最大級の地下放水路である「首都圏外郭放水路」を視察しました。

(静岡プログラム)
 8月1日からは、フランスのカンヌ市と姉妹都市でもある静岡市に滞在し、市役所で、田辺 静岡市長と面談したほか、「高齢者福祉」、「児童福祉」、「防災」の3つの分野でお互いの事例発表を行い、活発な意見交換が交わされました。
 静岡市は全国的に健康寿命を延ばす取組みが最も進んでいるまちであり、市民が連携して高齢者を地域で支え合う体制を構築している政策に対して、参加者からは、「フランスでは高齢者支援は広域連合体が行うものだが、高齢者が住み慣れた地域の住民と関わり合いながらケアを受けられるのは良いことだ。」、「認知症などの介護は専門家や民間が行うためコストがかかるが、地域ぐるみで見守る取組みは人間的なケアで良い。」など、両国の体制の違いを踏まえた発言があったほか、高齢者の自立性を確保した在宅ケアの取組みの重要性について共感の声があがりました。
 児童福祉の分野では、フランスでは有資格者による出張保育サービスや保育所の受入時間が充実していること、また、テレワークの推進や託児所付き文化施設の整備などによる母親のライフスタイルに対応した支援策などについて参加者から紹介がありました。静岡市からは、2年連続で待機児童ゼロを達成し、子どもの保育所受入施策の推進に積極的に取り組んでおり、フランスの保育所の運営体制や女性の就労支援などについて活発な質疑がありました。その後、実際に子ども園などの施設を訪問し、受入乳幼児数、子どもの特性を踏まえたアプローチ、緊急時の対応や市内入園先の選定方法などについて施設職員と幅広く意見交換を行いました。
 危機管理の分野では、静岡市側から地震、津波、風水害対策や防災体制などについて説明を受け、参加者からは、フランスの国内危機管理体制をはじめ、沿岸地域の水害対策について発表を行いました。両国の風土や制度に相違はあるものの、住民参画の大切さや危機管理意識の啓発の重要性について、双方が認識を深めました。
 参加者は、行政視察以外にも、ホームステイや旅館での宿泊で日本文化を体験したほか、浴衣を着用して夏の風物詩である「清水みなと祭り」の花火鑑賞をするなど、静岡市の魅力も存分に体感しました。

(今年度の評価と来年度の開催について)
 参加者からは、「意見交換や視察、ホームステイなどのプログラムが素晴らしかった。学んだことを必ず業務に活かしていきたい。」、「自治体同士の交流による得難い出会いや交流をすることができた。」などの感想が寄せられ、静岡市からも、「フランス側の取組は本市の施策の形成に大いに参考になるとともに、フランスの自治体関係者との新たなネットワーク作りの良い機会となった。」という声があり、日仏双方の参加者にとって、大変実りの多いセミナーとなりました。
 今回のセミナーが日仏両国の地方行政における課題解決のきっかけになるとともに、このセミナーを通じて日仏の地方自治体間の交流がますます拡大・深化することを期待しています。なお、来年度のセミナーは、東京オリンピック開催のため、例年の夏以外の開催となる予定で、詳細は未定ですが、セミナーの受入に関心のある自治体の方は、クレア本部交流親善課(このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。)までご連絡ください。

 

shizuoka01 shizuoka02

       静岡市所在地                     静岡市役所から眺める夏富士

shizuoka03 shizuoka04 

  総務省における地方公務員制度等の説明          大和ハウス工業にてアシストロボットの体験         

shizuoka08 

  首都圏外郭放水路 視察

shizuoka05 shizuoka06

   田辺 静岡市長表敬訪問                 静岡市における意見交換の様子

shizuoka07

  登呂地域子育て支援センター視察

 

(参考URL)
大和ハウス工業(株) https://www.daiwahouse.com/English/businessfield/life/robot.html
RICOH BIL Tokyo https://jp.ricoh.com/company/ricoh-bil
首都圏外郭放水路 http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/edogawa_index045.html
静岡市 http://www.visit-shizuoka.com/en/

(参加者)
○M. Laurent GEORGE
アングラン(Commune d’Angoulins)
事務総長(Directeur général des services)
http://www.angoulins.fr/

○M. Grégory GOETZ
ポンタ=ムッソン(PONT-A-MOUSSON)
事務総長(Directeur général des services)
https://ville-pont-a-mousson.fr/fr/

○Mme. Valérie GOETZ
メス・メトロポール(Metz Métropole)
事務次長(Directrice Générale Adjointe)
https://www.metzmetropole.fr/

○M. Alcino De OLIVEIRA
ペイ・ドゥ・モルターニュ コミューン共同体(Communauté de Communes du Pays de Mortagne)
事務総長(Directeur Général de Services)
https://www.paysdemortagne.fr/

○Mme. Françoise PLEMERT
バロン・ドゥ・オート・ブルターニュ共同体(Vallons de Haute Bretagne Communauté)
事務次長(Directrice Générale Adjointe)
https://www.vallons-de-haute-bretagne-communaute.fr/