海外自治体幹部交流協力セミナー2018を開催しました!
海外自治体幹部交流協力セミナーは、フランスの自治体幹部職員などを日本に招へいし、毎年異なる地方自治体の現場の視察や行政施策に関する意見交換などを行うプログラムです。今年度はフランスの自治体幹部職員3名を迎え、8月6日から8月15日までの期間、東京都と四国にある香川県で「地域資源を生かした地域振興と情報発信」というテーマのもと、セミナーを開催しました。
東京では、日本の地方行財政制度の講義、ディスカッションを行うとともに、テーマに沿って、東京都の伝統工芸であり、地域資源である江戸小紋を制作している「富田染工芸」にて染物体験を行いました。参加者からは、繊細な作業を経て作られており、とても綺麗だ、との意見が寄せられ、皆様お土産を買われるなど、好評でした。また、3日目には地方自治体の、東京における情報収集・発信の拠点となる自治体アンテナショップについての講義を受講したのち、実際に香川県・愛媛県の共同のアンテナショップを訪問し、香川県の東京における販売活動の様子を視察しました。参加者からは、アンテナショップについて、「自治体が主体となって取組みを行っており、興味深い取組みだ」との意見も聞かれました。
8月8日から14日までは、受入れ自治体である香川県に滞在。日本のオリーブ発祥の地であり、また、醤油づくりでも400年の伝統を誇り、4大産地の一つに数えられるなど、魅力満載の瀬戸内海に浮かぶ小豆島に渡りました。「小豆オリーブ研究所」や「ヤマロク醤油」を視察するとともに、地酒を製造・販売してフランスにも日本酒を輸出している「森國酒造」などを訪れました。香川県本土では、『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で三つ星を獲得した栗林公園や、弘法大師(空海)の誕生地にして、真言宗善通寺派の総本山である「善通寺」での宿坊体験、盆栽の里「中西珍松園」の視察を行うなど、数多くの香川県の地域資源を視察しました。参加者は、伝統文化や観光資源を多く有する香川県を、イタリア・トスカーナ地方になぞらえるなど、香川県に魅了されていました。
地方交流事業の最終日に実施される意見交換会では、参加者が各々の自治体について紹介するプレゼンを行い、その後、香川県の施策やインバウンド促進に向けた今後の取組みについて意見交換が行われました。香川県側からも、今回セミナーを受け入れた目的の一つであるヨーロッパ圏からのインバウンドに関連し、「ヨーロッパからの集客を増やすためにはどのようなスタイルの旅行を提案するのが好まれるか?」との質問が飛び出し、参加者からは、「香川県を訪問する観光客は、本物の体験をするために訪れると思うので、私たちがホームステイで体験したような、ありのままの日本人の生活を体験できる機会があれば良いと思う。」との回答があるなど、大変実り多いものとなりました。今回のセミナーが日仏両国の地方行政における問題解決のヒントを得るきっかけになるとともに、日仏自治体同士のつながりが、より強固なものとなることを願うばかりです。
来年度のセミナーの詳細は未定ですが、参加に興味のある方は にお問い合わせください。
(参加者)
○Didier JEAN
イル・ド・フランス州(CONSEIL REGIONAL ILE-DE-FRANCE)
欧州・国際協力・観光局次長(Adjoint au Directeur General Adjoint charge des Affaires Europeennes, de la Cooperation International et du Tourisme)
○Xavier BOIVERT
モルデル(イル=エ=ヴィレーヌ県)(COMMUNE DE MORDELLES)
事務総長(Directeur général des services)
○Françoise CLECH DEL TEDESCO
ジロンド県(CONSEIL DEPARTEMENTAL DE GIRONDE)
実績評価局長(Directrice de la Performance et de l’Evaluation)
香川県所在地
本州と四国をつなぐ瀬戸大橋
小裂づくり体験(富田染工芸)
和船乗船(栗林公園)
香川県西原副知事表敬
参加者とホームステイ受入家庭
香川県のソウルフード、うどん作り体験(中野うどん学校)