130年を経て、モネが描いた日本の牡丹が、今、蘇る!
19世紀のフランスで浮世絵に代表される日本文化が紹介されたことで、画家のクロード・モネやフィンセント・ファン・ゴッホなどに多大な影響を与えて生まれた「ジャポニスム」。130年前の1887年には日本からフランスに牡丹が送られ、モネが有名な「睡蓮」だけでなく絵画「牡丹」(国立西洋美術館所蔵)も描いています。日仏友好160周年を迎える今年、7月から2019年2月にかけて「ジャポニスム2018」という日本文化を紹介する一大文化イベントがパリを中心に開催されます。
その先駆けとして、フランスのノルマンディー州ジヴェルニー市にあるモネの庭園に、130年前のモネが描いた牡丹棚を再現しようと、松江市の日本庭園「由志園」が苗木を寄贈し、牡丹棚が復元され、4月24日、そのお披露目のセレモニーが行われました。これに合わせて、松浦正敬松江市長からの祝辞も寄せられ、クレアパリ事務所も日仏自治体のさらなる交流の進展を図るため、参加しました。
美しい山と海及び湖に囲まれた都市である松江市は国宝松江城と城下町の街並みが残り、茶の湯や和菓子、伝統行事など古い文化が受け継がれている観光都市であると同時に、日本一の牡丹の生産地でもあります。
1887年当時を忠実に再現するため、当時送られた株数に合わせて30株の牡丹が2017年10月にモネの庭園に植えられました。また、牡丹の花の色も絵画と同じになるよう選定されています。松江市で栽培される牡丹は、品種として優れており、株に力があるため、植えた翌年から必ず咲くといいます。そのため、セレモニーが行われたこの日も大変見事に咲き誇っていました。
セレモニーでは、クロード・モネ財団のガル会長と木寺昌人在仏日本国大使がテープカットを行い、その後、庭園内を見学しました。ガル会長は庭園内の各所で詳細に説明をされており、木寺大使をはじめ出席者は大変熱心に聞いていました。また、木々の間から光が差し込んだり、水面に反射したりする様子は、モネが印象派を代表する画家であることを思い出させます。
松江市の日本庭園「由志園」の方が、モネはジャポニスムを象徴する画家であり、モネの「睡蓮」は大変有名であるが、「牡丹」は知られていないのでこれを機に是非知ってもらえたらと思うと話されていたのが印象的でした。
松江市の牡丹がモネの庭で毎年華麗に咲き、フランスをはじめ世界の人々に親しまれることを期待します。
記念撮影