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パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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2017年ユネスコ/日本ESD賞決定!!

2017年11月3日(金)にユネスコ本部(パリ)で2017年ユネスコ/日本ESD賞授賞式が行われました。

ESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発のための教育」と訳され、世界で起きている環境、貧困、人権、平和、開発といった様々な現代社会の課題を自らの問題として取り組むことにより、課題解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと、そしてそれにより持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動のことです。ユネスコ/日本ESD賞は、2014年に岡山市と名古屋市で開催された「ESDに関するユネスコ世界会議」において、世界中のESDの実践者にとってより良い取り組みにする動機付けと、優れた取り組みを世界中に広めることを目的として、日本政府の財政支援により創設されたものです。2015年から世界の優れた事例を毎年3件表彰しています。賞の選考は、ユネスコ加盟国またはユネスコと公式な協力関係にあるNGOの推薦に基づき、外部有識者からなる審査会による選考を経て、ユネスコ事務局長が決定します。選考基準として、以下の3つが示されています。

(1)ESDが持続可能な開発を支える変容をもたらす教育として行われており、個人及び社会の変化につながっていること

(2)持続可能な開発に関係する社会、経済、環境の3つの側面を統合的に取り扱っていること

(3)ESDに対するイノベーティブなアプローチを実証していること

3回目となった今年は、ジンバブエ、ヨルダン、イギリスの取組みが表彰されることとなり、林芳正文部科学大臣から賞状と賞金を受け取りました。

3団体の取組みは以下のとおりです。

【ジンバブエ】

ジンバブエの小学校で、教員及び低所得層を中心とする児童が近隣コミュニティと一緒に、Permaculture(環境保全型・持続可能農業)プログラムを通じて清潔な環境、食、水へのアクセスの向上に学校全体で取り組んでいます。

なお、Permaculture(環境保全型・持続可能農業)とは、動植物の相互作用の重要性を認識し、水の採取や保全を含む土地利用と土地デザインを重視し、持続可能な生態系を作りだすために、自然環境と人間の活動を統合させることを目指した農業の一形態です。

審査委員は、この取り組みは他の国々であってもそれぞれの文化や環境に合わせて、模倣することができると評価しています。

【ヨルダン】

アラブ地域の社会的に弱い立場にあるコミュニティにおいて、社会、経済、環境課題に対する創造的でダイナミックな取り組みを提案、実施しています。特に“Exchange Tourism”では、固有の地域文化・伝統に対する理解を促すとともに、経済的利益と持続可能な解決策を両立させることで地域の人々の力の向上を図っています。

文化や伝統を認識する学習を通して地域課題に応える創造的でダイナミックな取り組みであるところが評価されました。

【イギリス】

2005年に設立されたHard Rain Projectは気候変動や貧困撲滅、環境といった地球規模の課題に焦点を当て、影響力のあるESDプロジェクトを行っています。世界的によく知られているアーティストや科学者等と一緒に展示や映画、本等を活用して、児童や学生、一般市民にメッセージを届けています。多種多様な地球規模の課題への意識を高めるためだけでなく、考えを刺激し、より建設的な未来に向けた活動を促進するために、アートや科学などの視覚的なメディアを利用した独特で国際的な取り組みであることが受賞の決め手の一つとなりました。

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       授賞式         授賞式レセプションでの林文部科学大臣の挨拶

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