ユネスコ認定の創造都市がフランスに集結!
6月30日から7月2日に、パリ近郊のアンギャン=レ=バン市でユネスコ創造都市ネットワーク年次総会が開催され、同ネットワーク加盟都市のうち96都市の代表が44カ国から参加しました。
ユネスコ創造都市ネットワークとは、ユネスコにより認定された創造都市同士が文化を通じた連携を行うことにより、地域の文化産業の振興、持続的な発展を推進する国際的なネットワークです。2004年に創設され、文学・映画・音楽・工芸・デザイン・メディアアート・食文化の7分野で現在54カ国、116都市が加盟しています。
日本は神戸市(デザイン)、名古屋市(デザイン)、金沢市(工芸)、札幌市(メディアアート)、鶴岡市(食文化)、浜松市(音楽)、篠山市(工芸)の7都市が加盟しており、7都市すべてが今回の年次総会に出席しました。
開催地であるアンギャン=レ=バン市は湖と温泉とカジノがあるパリ近郊のリゾート地として知られており、ユネスコ創造都市ネットワークではメディアアートの分野で登録されています。オープニングでは、イリーナ・ボコバ ユネスコ事務局長が3D映像で挨拶を行い、アンギャン=レ=バン市がメディアアートの都市であることを印象付けました。
会期中は、各分野に分かれた分科会と全体会が開催され、全体会の市長セッションにおいては、篠山市の平野副市長が登壇し、日本六古窯のひとつである丹波焼や、古い町並みと古民家の活用事例など篠山市の紹介を行いました。分科会では、今後のプロジェクトや、新しく加盟した都市がいかにネットワークにスムーズに合流できるかなどについて白熱した議論が交わされました。
同じ分野の都市間では、各都市で開催されるイベントに相互に参加するなど、交流が活発に行われています。一方で、分野を超えた交流も行なわれています。例えば、金沢市は昨年8月にアンギャン=レ=バン市からメディアアートの作家を招き、金沢の工芸作家と共同制作に取り組んだほか、鶴岡市とスペインのビルバオ市(デザイン)は両市のシェフを相互に派遣するなど、ネットワークを活用した様々な試みが行われています。
今回の総会のように、すべての分野の都市が一同に会することで、分野を横断した新たなアイディアと交流が生まれる機会となっており、創造都市が単なるラベルに留まらず、ネットワークとして機能していると感じました。
(参考)ユネスコ創造都市ネットワークHP
英:http://en.unesco.org/creative-cities/home
仏:http://fr.unesco.org/creative-cities/
フィリップ・スール アンギャン=レ=バン市長 平野斉篠山市副市長による発表の様子
アンギャン=レ=バン市内