パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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パリのメトロが2021年までに切符を廃止

パリが位置するイル・ド・フランス州内の公共交通に係る権限は、STIF(Syndicat des transports d'Île-de-France。注1)が有しており、STIFとの契約の下、RATP(Régie autonome des transports
parisiens。パリ交通公団)及びSNCF(フランス国鉄)が、メトロ(地下鉄)、トラム、バス、RER(首都圏高速鉄道)及びトランシリアン(イル・ド・フランス州内の鉄道の名称)等を運行している。

現在、メトロ等の改札では、切符又は「Passe Navigo」(2001年に導入された非接触型ICカードであり、SuicaやICOCA等に相当。注2)が使われているが(注3)、モバイルSuicaのようなスマートフォンアプリ等を利用したサービスは導入されていない。また、東京メトロでは2013年に構内における携帯電話の電波エリア化を終えているが、パリのメトロ構内ではデータ通信以前に電話も途切れることが多い状況である。

このような中、5月22日、STIFの議長を務めるイル・ド・フランス州のペクレス議長(フランスでは議長が首長を兼ねる。)が、「Smart Navigo」構想を発表した。STIFのHP(注4)によれば、この構想の概要は以下のとおりである。なお、同じ2001年に導入されたSuicaと比較すれば、スマートフォンアプリへの対応等はようやくとも感じるところである。

○2016年末までに1年定期券の更新をインターネットで可能に(現在は窓口のみ)

○2018年から2020年にかけて、モバイルSuicaに相当する「Smart Via Navigo」というスマートフォンアプリを導入

○2018年から2020年にかけて、観光客等向けにPiTaPaのようなポストペイ型の機能を導入

○2021年に切符を廃止。また、NFC(近距離無線通信)機能を有するカード(注5)に自動改札が対応

○2016年末までに州内のSNCFの駅にWiFiを導入。また、2018年までにRATP及びSNCFの全路線で4Gの電波エリア化

○Smart Navigoで、州内のヴェリブ等の自転車シェアリング及びオートリブ等のカーシェアリングなどを利用できるようにし(注6)、オープンデータとしても活用

注1:イル・ド・フランス州内の自治体等により構成される組合型の公施設法人

注2: Suicaと同じプリペイド型だが、金額ではなく定期券(1週間又は1ヶ月)をチャージする方式のため、電子マネーの機能はない。インターネットでもチャージ可能。

注3:定期券はNavigoを用いたIC定期券のみで、磁気定期券は廃止されている。

注4:http://www.stif.info/smart-navigo.html(リンク先のページは既に削除されています。)

注5:欧州では、銀行が発行するデビットカードにNFC機能を付けたものが一般的。ロンドン地下鉄(Tube)の改札は既に対応している。

注6:現状、ヴェリブはNavigoに対応しているが、オートリブは対応していない。