パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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ジャパン・エキスポ2013の報告について

2013年7月4日(木)から7月7日(日)までの4日間、パリ近郊ノール・ヴィルパント展示会場にて、「第14回ジャパン・エキスポ」が開催され、日本の地方自治体が出展しましたので、その様子をお伝えします。

○イベントの概要
エキスポは、マンガ・アニメ・ゲームを中心とした日本のポップカルチャーと、書道や武道、折り紙など日本の伝統文化を合せた日本文化を紹介するイベントです。毎年フランス国内をはじめ近隣のヨーロッパ諸国からも多くの来場者が訪れ、世界最大規模の日本文化の祭典と言われています。第14回目にあたる今年は、約700ものブース(うち現地法人を除いた日本からの出展ブース数は約80)が出展し、主催者によると約23万人の来場者を記録しました。パリ事務所は、JNTO、ジャパン・エキスポ主催者と協力し、エキスポに出展する日本の地方自治体が一体となったブース配置になるように調整するなど、出展者の方々にとってより効果的な活動が可能となるようサポートを行いました。

○特色ある地方自治体の出展について
今回、日本の地方自治体の出展としては、彦根市、山陰観光連盟(島根県&鳥取県)、中部国際空港(愛知県)、福岡市、熊本県&熊本市、沖縄県コンベンションビューロー(順不同)の6つの参加がありました。自治体出展の特徴については2つのキーワードが挙げられます。1つ目は「継続」です。山陰観光連盟、中部国際空港、福岡市、沖縄県コンベンションビューローについては、前回の出展経験を活かした参加になりました。例えば、沖縄県コンベンションビューローについては、昨年よりもブース区画を倍にして出展し、パンフレットやノベルティーを配るだけでなく、参加者が体験をできるように、クイズ大会や星砂作りのワークショップを実施しました。また、昨年の文化ステージで好評だった三線演奏の経験を活かし、三線ユニット「サンサナー」を招へいして実施したライブも大変好評でした。
福岡市もブース区画を倍にして出展し、前回のアンケート結果等を踏まえて、食品とデジタルコンテンツのPRに特化したブースを実施しました。特に、食品については試食を行い、多くのアンケート結果を得ることができたとのことで、テストマーケティングの好機となったようです。また、福岡市内にて行われたシンポジウムにおいて、ジャパン・エキスポの代表をパネリストとして招へいするなど、積極的に関係者とのネットワークを構築しており、ジャパン・エキスポにおいて主催者の実施する企画展示のテーマにも同市が選ばれています。その他、中部国際空港は、世界コスプレサミット のチャンピオンを招へいして注目を集めていましたし、山陰観光連盟も新たにPRビデオを上映することにより、来場者に対して視覚的に訴えかけていました。
また、2つ目の特徴としては、「ゆるキャラ®」の持つインパクトの大きさです。今回は、「ひこにゃん」と「くまモン」という日本を代表するご当地のマスコットが参戦しましたが、その人気は確かなもので、記念撮影やステージは大賑わいでした。彦根市と熊本県の担当者からも「予想を上回る反響があり、大変効果的なPRとなった。」との感想をいただいています。今後、日本自治体のゆるキャラ®がエキスポで次々と登場し、新たなエキスポの名物企画となるよう期待しています。

○JET参加者の大活躍
今回の自治体ブースでは、JET参加者も大活躍でした。昨年に続いての参加となった松江市CIRのルック・ポマレードさんは、前回の出展においても、巧みな日本語と日本や島根県における豊富な知識を活かして、すばらしい説明を行っていましたが、1年間の経験を重ねて、さらにその日本語力と知識はブラッシュアップされていました。
また、福岡市のブースでは、フランスJETのOB組織であるJETAAのメンバーがサポートにまわり、日本語とフランス語の双方を駆使しながら、円滑で丁寧な説明を行っていました。JETAAのメンバーも、日本自治体に係る情報発信ということもあり、非常にやりがいを持って取り組んでいました。
現在、自治体における国際関係の事業も文化交流から経済交流まで実に幅広く、また多様化しているため、CIRの活躍の場がさらに増えています。今回のルックさんの活躍をご参考いただき、ぜひCIR任用について前向きな検討をいただければ幸いです。また、JETを任用した経験がある自治体におきましては、ぜひ任用が終了した後も彼らとの関係を将来にわたって大切にしていただき、JETAAを積極的にご活用いただければと思います。もちろん、JETの任用経験がない自治体においても、活動支援の一環として、JETAAのメンバーにイベントの支援を依頼することも可能ですので、当事務所までぜひご相談いただければと思います。
日本を深く理解し、愛し、彼らの母国語で、彼らの国民に情報発信をできるということは、情報を的確かつ効果的に発信する上で極めて重要な要素ですので、ぜひJETをご活用下さい。

○多様化していくジャパン・エキスポ
ジャパン・エキスポはポップカルチャーを中心としたイベントですが、14年の歳月を重ねる中で、来場者の層も少しずつ多様化し、新機軸のテーマが扱われるようになりました。例えば、クレアも後援をしている「Japan Moment」という企画においては、個人作家による体験型ワークショップや、伝統工芸品に限定した関連商品の販売・マーケティング用のブース出展などが実施されました。また、文化ステージのプレゼンテーションでは、和太鼓や伊賀忍者のステージが設けられるなど、多彩な日本文化の演出が大きなインパクトを放っていました。これらは、アニメのコスチュームに身を包んだ若者もさることながら、小さい子供を連れてきた家族の方など、幅広い人々の関心を呼んでいました。
また今回、仏外務大臣特別代表(日仏パートナーシップ担当)を務め、元ルノーの会長でもあるルイ・シュバイツァー氏がジャパン・エキスポを初めて視察しました。そこで、短時間ではありましたが、自治体ブースにも立ち寄っていただき、出展自治体の方に出展内容を聞くなど、大変興味を持っていただいた様子でした。仏経済界の重鎮に興味を持っていただくことが、日本自治体のプロモーション戦略の新たな展開につながりうることは言うまでもありません。

○継続が出展形態を深化/進化させていく
どの展示会においても共通に言えることですが、観光客誘致や、ビジネスマッチングにおいて出展の効果がすぐ現れる程簡単ではありません。しかし、今回出展した自治体のように継続して出展し、戦略的に情報発信をすることで、人的ネットワークが広がり、また口コミで地域の情報が伝わる中で、出展の効果が表れてくるものと期待されます。また、エキスポには、若者がたくさん集まって来ます。そして、親たちと一緒に来場している小さい子供たちも前回よりも増えている印象を受けました。エキスポは、マンガやポップカルチャーをきっかけとして日本への親近感をもっている彼らに、若いうちから日本の地域の魅力についても知っていただく絶好のチャンスであると感じました。
自治体の皆様におかれては、ぜひエキスポを情報発信の好機と捉えていただき、来年度以降の参加をご検討いただければと思います。

パリ事務所 所長補佐 原田知也(群馬県富岡市派遣)