パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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ジュジュリューのボネ工場について

アン県のジュジュリューにて、操業を停止した絹工場を博物館として活用している事例がありましたので紹介いたします。

○ボネ工場の概要

・クロード=ジョセフ・ ボネによって1832年に建てられた撚糸工場(後に製糸、織布も生産)。
・ピーク時は工女を含めて約2,000人もの従業員がいた。
・国の養護施設等から孤児を雇用したり、外国からの工女も雇用していた。
・寄宿舎制度を導入し、学校も併設されていた。
・サン・ジョセフ修道会により、工女の生活は厳しく管理されていた。
・操業停止後、2001年にアン県が買収し、現在は博物館として活用されている。
・30万点にものぼる資料や書類が所蔵されている。
・当時生産されていた生地や、衣装が時代別に展示されている。
・工女のリストや、当時の寄宿舎での生活を示す展示がなされている。

ボネ工場の概要等についてはこちらから(ボネ工場HP・フランス語、一部英語あり)

寄宿舎制度を採用していたという点やアン県周辺における製糸工場の模範工場となった点等、
富岡製糸場との共通点を多く見出すことができます。

また、後世に歴史を伝えるために、操業停止後も建物や機械をそのまま保存しているという点も
産業遺産の活用方法として参考になる事例です。

フランスが産業遺産の本格的保護に取り組むのは1980年代以降で、イギリスやドイツなどに比べて遅いのですが、
好事例も見受けられるため、引き続き研究をしていきたいと思います。

パリ事務所 所長補佐 原田知也(群馬県富岡市派遣)