ダンケルクにおける砂糖倉庫のリノベーションについて
現在、ダンケルク都市圏共同体が主体となり、ダンケルク市の埠頭にある砂糖市場の倉庫を改修し、都市の拠点として整備をするプロジェクトが進んでいます。
この倉庫は、14世紀に砂糖(後にコーヒ豆)のストックヤードとして建てられたもので、4階の建坪は13,000㎡にもなりますが、1990年より使用されていない状態が続いていました。
今回のプロジェクトでは、この倉庫を改修し、4つの機関(都市記念館・資料館、AGUR(都市計画専門機関)、INSET(地方行政幹部職員全国研究所)、ダンケルク都市圏共同体の都市開発部局)を同じ建物に集約することにより、各々のミッションを結びつけたり、文化や芸術の分野を未来研究につなげることが期待されています。
また、これは、州より5つのラーニングセンター(都市や持続的発展をテーマとした研究拠点)のうちの1つに認定されており、広く一般市民が、都市の持続的発展をテーマとした研究や取組などにアクセスしやすくすることを目的としています。
*ラーニングセンターは、アメリカの大学(後にイギリス、オランダ)で生まれた90年代における高等教育や大学図書館の発展に関する概念で、建造物の場所を地域の象徴として関連づけたり、(研究の)可能性を実際のサービスに結びつけていくというものです。
事業の概要等についてはこちら(ダンケルク市HP・フランス語)(リンク先のページは既に削除されています。)
使われなくなった古い倉庫を、都市研究の拠点として整備をするというこのプロジェクトには、日本の地方自治体も大変学ぶべき点が多いと感じました。産業遺産における活用方法にも通じる点がありますので、引き続きこの取組について研究をしていきたいと思います。
パリ事務所 所長補佐 原田知也(群馬県富岡市派遣)