パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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復興支援・対日投資フォーラム

去る2月27日、パリ・イルドフランス商工会議所本部にて、同会議所、日仏経済交流委員会及びジェトロ主催による「復興支援・対日投資フォーラム Forum France-Japon:l’après séisme」が開催され、谷公一復興副大臣、ルイ・シュバイツァー仏外務大臣特別代表(ルノー名誉会長)等の臨席の下、日本政府や被災3県、日仏の多彩な事業者等から、東日本の復興の最新の状況の報告や復興に対する日仏企業の協力への呼びかけが行われました。当方も、復興の現場を支える地方自治体の代弁者として発言する機会を得、特に、東日本における被災者の住宅の現状や今後の投資可能性にフォーカスを当てつつ発表させて頂きました。

パリに来る直前まで、日本において東日本の復興を担う部署にいたこともあり、パリにおいてこのような機会が巡って来たことに率直な喜びを感じた次第です。
当方からは、発災直後47万人に上った避難者のうち32万人は2年を経た現在も仮設住宅等での避難生活を余儀なくされており、被災地の方たちにとって震災は終わっていないことをまず訴えました。

そのうえで住宅市場の動向を振り返り、震災直後は大きく落ち込んだものの夏には、移転先や資金面で条件が整った方々を中心に着工件数が急激に回復。今後は、「防災集団移転促進事業」や被災市街地の再生を行う土地区画整理事業の法定手続きが大幅に進捗し、これらの工事がいよいよ本格化するとともに、来年度末から数年間をまたぎ住宅建設需要が大いに活性化する見込みであることを、各県の復興計画や政府の経済対策の内容、地方自治体の活動内容、民間シンクタンクによる経済予測などを、具体的数字を交えつつ紹介し、投資機会の大幅な拡大の可能性についてアピールしました。
言うまでもなく住宅投資は幅広い分野へと波及し、多岐にわたる投資機会を生み出します。例えば寒冷地である東北地方においてはとりわけ断熱性能が重要になるわけですが、断熱材技術においてはフランスの大手グループが最先端の技術を有し、既に茨城県、岐阜県に工場を設置しているほか、今後の住宅需要の拡大に注目して三重県においても新たな工場の建設を計画しています。
こうした対日投資をさらに促進していくことにより、日仏両国の経済活性化、雇用の拡大へとつなげて行くとともに、ひいては東日本の真の復興、すなわち単なる復旧にとどまらない新たな時代に適応した生活スタイルの確立へと資することになると考えます。

日本・フランスの他の発表者の方々からも各分野における実践例やそこでの様々な経験、今後の可能性等について説得力のあるプレゼンが行われ、限られた時間の中ではあるものの極めて活発な質疑が行われました。
議論の中では、ブルターニュ貿易振興会会長のシャマレー氏が仙台市との姉妹都市提携に支えられた経済交流を引き合いに出しつつ復興への投資をアピールしたり、あるいは満席の会場から、昨年の日仏自治体交流会議の会場の一つだったコンピエーニュ市副市長が自治体交流をバックにした息の長い経済活動の必要性を訴えたりするなど、両国間の自治体交流をホームグラウンドとする当方としても印象深いエピソードにあふれたシンポジウムとなりました。

(パリ事務所長 黒瀬敏文)

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