仏における国会議員(上院議員及び国民議会議員)の兼職率について
先日、日本の地方自治体からフランスにおける国会議員(上院議員及び国民議会議員)の兼職率についてお問い合わせがありましたので、以下の通り、報告いたします。
フランスでは、国会議員と地方議員の兼務が認められており、「国民議会議員・市長」、「上院議員・県議会議長」といった肩書きを持つ議員の数は多く存在します。
2011年の改選を踏まえた上院議員の兼職率(2011年)は次の通りです。
・地方公選職との兼職率
78.16%(272/348)
・コミューンの長(コミューン議会議長、日本の市長村長に相当)との兼職率
37.93%(132/348)
・県の長(県議会議長)との兼職率
10.06%(35/348)
・州の長(州議会議長)との兼職率
1.15%(4/348)
また、国民議会議員の兼職率(2010年)は次の通りです。
・地方公選職との兼職率
84.44%(487/577)
・コミューンの長(コミューン議会議長)との兼職率
45.93%(265/577)
・県の長(県議会議長)との兼職率
3.29%(19/577)
・州の長(州議会議長)との兼職率
1.04%(6/577)
(出典:上院HP、国民議会HP)
なお、現在、与党である社会党内では、世代交代や新たな人材の登用を促進し、民主性を高めるという目的から、兼職禁止の方向性が示されています。また、エロー首相は次の地方選挙に間に合うように法律を制定すると説明しています。しかし、与党内を含め、反対派の議員も多くおり、兼職禁止の実現が危ぶまれています。
(パリ事務所所長補佐 西村高則)