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「第13回『伝統と先端と』~日本の地方の底力~」パリ会場において、ワークショップを開催します!

クレアパリでは、日本の地方に根付いた伝統工芸品や伝統産業技術にスポットを当て、日本の地方が持つ知られざる魅力を発信する企画展「『伝統と先端と』~日本の地方の底力~」を、2025年11月18日(火)から11月29日(土)までパリ会場にて開催します。

この企画展に関連して、パリ会場(パリ日本文化会館)において、日本の伝統技術を持つ職人によるワークショップおよび実演披露を開催します。本物の日本文化に触れることができる貴重な機会ですので、是非ご参加ください。

ワークショップはすべて有料予約制です。予約は、各ワークショップ実施日の1か月前から可能です。


●体験ワークショップ「石川県金沢市・手描き友禅彩色体験」

2025年11月18日(火) 13時

加賀友禅は、金沢市を中心に発展した日本の伝統的な手描き友禅染めです。江戸時代中期、加賀藩御用絵師・宮崎友禅斎によって技法が確立され、武家文化の中で洗練された美意識が育まれました。写実的な草花模様や繊細なぼかし技法、金箔や刺繍を用いない絵画的な表現が特徴で、「加賀五彩」と呼ばれる藍・臙脂・黄土・草・古代紫の落ち着いた色調が用いられます。

今回、クレアパリ会場では、加賀友禅の魅力を体感できる天然染料を使った手描き染体験を実施します。このワークショップでは、金沢市内で採取された桜を原料とした天然染料を用い、参加者自らが筆で色付をしていただきます。自然由来の染料は環境にも優しく、持続可能な染色文化の象徴でもあります。加賀友禅作家の指導のもと、伝統的技法の手仕事の美しさと、自然との調和を肌で感じていただける貴重な機会となることと思います。日本の伝統技術とサステナビリティの融合をぜひご体験ください。

FR : Teinture à la main Kaga Yuzen (Kanazawa, département d’Ishikawa) – Maison de la culture du Japon à Paris
JP : 手描き友禅彩色体験 (石川県金沢市) – Maison de la culture du Japon à Paris


●実演披露「石川県金沢市・縁付金箔のうつし仕事実演」

2025年11月18日(火) 13時

江戸時代、加賀百万石の城下町として栄えた金沢。歴代加賀藩主の文化奨励策によって工芸の技が研ぎ澄まされ、独特の美意識を有する伝統文化の世界が花開きました。今も、藩政時代の面影を感じさせる街並みと、優れた伝統工芸品を見ることができる金沢は、国内外の観光客から注目されています。

工芸都市金沢はまた、日本の金箔生産量のほぼ100%を占める「金箔」の町としても知られています。伝統技術で作られた金箔は縁付金箔と呼ばれ、その製造法は、2014年国の選定保存技術に指定され、さらに2020年には、「伝統建築工匠の技」の一つとしてユネスコの無形文化遺産に登録されました。縁付金箔の生産量は金箔全体の20%に留まっていますが、箔質は柔らかくしっとり輝きます。その工芸品のような趣は伝統工芸や文化財の保存修復に欠かすことができません。

今回の実演では、箔工程の最後の工程であるうつし仕事をご覧いただきます。箔を、鹿皮を張った革盤(かわばん)に竹箸で移し、枠と呼ばれる四角い竹製の刀で規定の大きさに1枚1枚裁ち、「箔合紙(はくあいし)」と呼ばれる三椏(みつまた)製の紙の上に1枚ずつ重ねる工程です。

FR : L’art du transfert de feuille d’or entsuke (Kanazawa, département d’Ishikawa) – Maison de la culture du Japon à Paris
JP : 縁付金箔のうつし仕事実演 (石川県金沢市) – Maison de la culture du Japon à Paris


●体験ワークショップ「東京都・江戸押絵 丸形小箱製作体験」

2025年11月22日(土) 14時30分、17時30分

「江戸押絵」は浮世絵などに描かれている人物などの衣装を実際の布で作成したり、絵付けをして、日本画の技法を用い、肉筆と同じ行程にて作成されています。厚紙の上に綿をのせ、これを熱した鏝(こて)を使い布で包み、それぞれのパーツを作成し、組み上げて作成します。

伝統工芸品である「江戸押絵」および「江戸押絵羽子板」は1800年代中頃から、日本橋から浅草にかけて発展しました。歌舞伎などの浮世絵師の描いた図や面相をモチーフとしたものが「江戸押絵」として取り入れられ、押絵を主に羽子板に貼り付けたものが「押絵羽子板」として広く知れ渡るようになりました。浮世絵版画の高級版が「江戸押絵羽子板」となったのです。「江戸押絵」が現在の形として確立されたのは、浮世絵師としても名高い豊原国周の兄が羽子板屋を稼業として日本橋に店をだしていたと言われ、江戸押絵は江戸文化である歌舞伎や日本画の技法、着物など衣装の色彩や様式が凝縮されています。

今回のワークショップでは、正絹の着物の布を使用した押絵を作成し、丸型の小箱に貼り付けます。日本の着物の柄の美しさや絹織物の手触り、簡単な図でありながら日本古来の美しい図案を体験していただけます。製作したものはお持ち帰り頂けます。

FR : Technique décorative d’Edo : oshi-e (Tokyo) – Maison de la culture du Japon à Paris
JP : 江戸押絵 丸型小箱製作体験(東京都) – Maison de la culture du Japon à Paris


●体験ワークショップ「東京都・江戸木目込みストラップ作成体験」

2025年11月22日(土) 13時、16時

約290年前の江戸時代に、世界遺産でもある京都最古の神社上賀茂神社が発祥の木目込み(きめこみ)人形。粘土で原型を製作した後、桐の木を細かくしたものにでんぷん糊を混ぜたものを型抜きし、乾燥させ、溝を彫り、専用のヘラで着物となる布をはめていく技法です。自然の素材で作られたことで、長い年月でも型崩れすることなく楽しむことができます。また、粘土で原型を製作するため、曲線がきれいに表現されます。着物には西陣織が使用され、その優しい顔は心を癒してくれます。日本ではお人形に家族の幸せと健康を願う風習があり、「江戸木目込み人形」は日本の伝統的工芸品の認定を受けています。

今回のワークショップでは、お人形と同じ技法で、好きな布を選び、日本古来の『まり』のストラップを製作します。製作したまりは当日お持ち帰りいただけます。まりには「円満な家庭を築けますように」「どんな困難に見舞われても丸く収まりますように」といった願いが秘められています。

FR : Fabrication de porte-clé « mari » (Tokyo) – Maison de la culture du Japon à Paris
JP : 江戸木目込みストラップ作成体験(東京都) – Maison de la culture du Japon à Paris


●ワークショップ「兵庫県丹波篠山市・丹波焼のかけらで創る、金継ぎアクセサリー製作体験」

2025年11月28日(金) 16時30分
2025年11月29日(金) 16時30分

日本の伝統的なやきもの「丹波焼(たんばやき)」の美しいかけらを使って、世界に一つだけのアクセサリーを作ってみませんか? 丹波焼は、約800年の歴史を持つ、手作りの温かみあふれる陶器です。

このワークショップでは、窯で生まれた個性豊かな陶器のかけらに、「金継ぎ(きんつぎ)」という日本の伝統技法を施します。金継ぎとは、割れた器を漆(うるし)と金で修復し、その傷跡さえもデザインとして楽しむ、ユニークなアートです。手軽で安心な体験:肌がかぶれる心配の少ない、現代の安全な合成漆を使用します。乾燥も早いので、完成したアクセサリーは、その日のうちに身につけてお帰りいただけます。初心者の方も大歓迎: 特別なスキルは必要ありません。講師が丁寧にサポートしますので、どなたでも気軽に美しい金継ぎの世界を楽しめます。あなただけの宝物作り: 形、色、模様がすべて違うかけらの中から、心惹かれるものを選び、あなただけのオリジナルアクセサリーを完成させましょう。

日本の職人技と美意識に触れる、創造的なひとときをお楽しみください。ご参加をお待ちしております。

FR : Bijou à partir de céramique de Tamba en kintsugi (Département de Hyōgo, ville de Tamba-Sasayama) – Maison de la culture du Japon à Paris
JP : 丹波焼のかけらで創る、金継ぎアクセサリー製作体験 (兵庫県丹波篠山市) – Maison de la culture du Japon à Paris


●体験ワークショップ「長野県・組子細工体験」

2025年11月29日(土) 14時、15時

組子細工(くみこざいく)は、日本の伝統的な木工技術を用い、釘や金具を一切使わずに、木片同士を緻密に組み合わせて美しい幾何学模様を生み出す工芸です。

材料となる木片は、わずか0.1ミリの誤差も許されない精密な加工が施され、熟練した職人の技により一つひとつ丁寧に仕上げられます。その高度な技術は、まさに日本の木工芸の粋とも言えるものです。

組子の技術は飛鳥時代から受け継がれており、世界最古の木造建築でありユネスコ世界遺産にも登録されている法隆寺(607年建立)の手すり装飾にも使われています。古くは障子や欄間といった日本家屋の建築装飾として広く親しまれてきました。

近年ではその繊細さと美しさが再評価され、照明器具やインテリア雑貨、現代建築の意匠としても取り入れられるなど、新たな可能性が広がっています。

また、緻密に設計された組子のパーツを使えば、組み立てのコツを覚えることで、どなたでも簡単に小さな組子細工を作ることができます。大がかりな道具は必要なく、机一つあれば、組子細工の体験や実演が可能です。

小さなお子さまからご高齢の方まで、幅広い年代の方々に楽しんでいただける、日本の伝統工芸に触れる貴重な機会となることでしょう。

FR : Fabrication d’accessoires en Kumiko (Département de Nagano) – Maison de la culture du Japon à Paris
JP : 組子細工体験 (長野県) – Maison de la culture du Japon à Paris