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パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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自治体幹部交流協力セミナー 島根県出雲市

一般財団法人自治体国際化協会交流支援部交流親善課

2025年1月19日から25日にかけて、日本自治体研修プログラムの一環として、フランスおよびベルギーの自治体幹部5名が東京都および島根県出雲市を訪問しました。

CLAIRは毎年、海外事務所が募集した海外自治体の幹部職員を招聘し、日本の地方自治体が持つ諸課題について意見交換を行い、地域の現状を視察・体験してもらうことにより、日本の地方行政施策に対する理解をより一層深めてもらうことを目的としたプログラム「海外自治体幹部交流協力セミナー(Programme d'étude de l'administration locale japonaise)」を実施しています。

東京都では明治大学の木村俊介教授から講義があり、日本の地方自治制度に関する包括的な説明が行われました。この講義は、日本の地方自治体の役割と、国の政治・経済システムへの関わりなど、日本の社会基盤に対する理解を深めました。午後は浅草を訪れ、東京を代表する観光地の一つとして、インバウンド観光の現状について視察しました。

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 木村教授の講義

出雲市では、はじめに市役所にて飯塚俊之市長を表敬訪問しました。その後、今回のセミナーテーマ「インバウンド誘客を促進するために自治体ができること」「観光関連の産業振興のために自治体ができること」に沿った、出雲市インバウンド推進課による市の施策について説明がありました。

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 市長表敬訪問

表敬訪問の後は、出雲大社を訪問しました。出雲大社では、島根県日仏友好協会によるフランス語ガイドの案内を受けながら、本殿や拝殿の歴史や意義について学びました。その後、稲佐の浜を訪れ、出雲市が誇る美しい夕日を背にした自然景観を視察しました。

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 出雲大社

出雲市主催の歓迎夕食会では、地元の食文化を体験するとともに、自治体間の交流を深める機会となりました。特に、日本とフランスの食文化の共通点や違いについて活発な意見交換が行われました。翌日は、地元ガイドの案内とともに木綿街道を視察し、歴史的な町並みの保存と観光振興の両立について学びました。また、醤油製造元では、醤油の製造工程を見学し、和食文化の理解を深めました。最後に、出雲市の担当者との意見交換会が開催され、参加者は自身の自治体での観光施策と比較しながら、出雲市の強みや課題について話し合いました。

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 木綿街道  意見交換会 

出雲市でのセミナーを終えた後、再び東京へ戻り、東京都庁を訪問しました。参加者は東京都庁の職員と熱心に意見を交わしながら自国との比較を行い、違いや類似点を学んでいました。

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 東京都議会

最終日には、埼玉県春日部市にある首都圏外郭放水路を視察し、日本の防災インフラについて学びました。参加者は、洪水対策の先進的な取り組みや、防災施設の一般公開による観光資源化について高い関心を示しました。午後には埼玉県川越市の「蔵造りの町並み」を訪れ、日本の伝統的な景観を活かした観光政策について理解を深めました。

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 首都圏外郭放水路

いずれのセミナーも参加者からは高い関心が寄せられ、各視察先の担当者からも参加者へ多くの質問がなされました。このセミナーをとおして、各国の自治体関係者が抱える課題について活発な意見交換が行われ、両国間の繋がりが強化される貴重な機会となりました。

■ フランス語版はこちら

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