欧州最大級の食品見本市SIAL Parisで日本の食の魅力を発信!
2024年10月19日から23日まで、パリ・ノール・ヴィルバント展示会場にて欧州最大級の食品見本市「シアル・パリ(SIAL Paris)」が開催されました。公式発表によると、127か国から7,500社が出展し、40万点以上の製品が展示されました。来場者約28万5千人のうち78.5%はフランス国外からの参加者で、出展者の40%は欧州外の企業と、まさに国際見本市と呼ぶに相応しいイベントとなりました。
今回、農林水産省とジェトロ(日本貿易振興機構)の主催によりジャパンパビリオンを会場内に設置し、自治体や国内企業など計81社・団体が出展。当事務所も、いくつかの自治体のブースを支援しました。水産業が盛んな宮城県は海藻関連食品を出展。三陸産わかめやめかぶなどに日本国産野菜を加え、バジル風味のペーストに仕上げた海藻ペーストは、グルテンフリーでビーガン食品に対応しており、注目を集めていました。また、新潟県や秋田県、富山県はそれぞれの県産米、徳島県・高知県はゆず関連商品を出品するなど、地域の食の特色を生かしたプロモーションとなりました。
10月21日には、農林水産省とジェトロが全国知事会と共催し、日本産食品が持つ地域性や多様性について発信するサイドイベントが開催されました。宮城県、福井県、石川県、富山県、岐阜県、滋賀県、三重県、兵庫県、鳥取県、徳島県、高知県、佐賀県、宮崎県、鹿児島県の14自治体が参加し、食品の試食提供を行いました。岐阜県の豊かな自然環境で育てられた飛騨牛と富山県産のお米を使用した飛騨牛握り寿司は非常に人気があり、改めてフランスでの和牛への関心の高さを感じることができました。他にも、全国の金箔生産量の100%近くを占める石川県が金箔入りの抹茶グリーンティーを出品するなど、各地域の食の魅力をアピールしました。
当事務所は佐賀県ブースを支援し、日本酒と梅酒の試飲提供を行いました。日本酒は香りや味が甘いものが好まれ、梅酒は人気があった一方、「甘さ控えめの梅酒も飲みたい」という方がいました。佐賀県自体に興味を持つ方や「日本酒を扱ったことがないが、レストランで扱いたいので価格表がほしい」という方が来訪し、実りあるプロモーションとなりました。
サイドイベントの宮城県ブースの様子 | 佐賀県の日本酒・梅酒 |
SIAL開催中の10月22日には、全国知事会・在仏日本大使館がJNTO(日本政府観光局)と連携し、在仏日本国大使公邸にて、フランス現地旅行会社やメディア等を対象とした観光レセプションを行いました。「日本ならではの観光と食」をテーマに、宮城県、岐阜県、三重県、富山県、石川県、福井県の6県が出展しました。
会場では、和菓子や日本酒、飛騨牛(岐阜県)、松阪牛(三重県)などの試食が行われたほか、観光パンフレットの配布や切込焼(宮城県)、九谷焼(石川県)、井波彫刻(富山県)などの伝統工芸品が展示されました。日本酒の試飲では「どのような食事と合わせて飲めばよいのか」という質問があり、今後の販売促進を図るにはフランスの食文化とのペアリングが重要であることを改めて感じました。
その他、会場では宮城県、富山県、石川県、福井県のPR動画の放映や、岐阜県によるPRスピーチ、三重県による忍者ショーが行われました。三重県伊賀地方は忍者発祥の地の一つとして知られており、現在もその伝統が息づいています。忍者ショーでは、目を引くアクションに加え、使用する忍具の説明があり、注目を集めていました。
石川県の伝統工芸品 | 三重県伊賀の忍者ショー |
ジャパンパビリオンの出展に伴い、多くの自治体が来仏した今回のSIAL Parisは、地域独自の文化や環境から生まれた多様な日本食を世界にアピールする貴重な機会となりました。出展品もバラエティーに富んでおり、参加自治体が多いからこそ地域それぞれの特性が際立ち、日本が持つ食文化の奥深さを参加者に訴求できたのではないでしょうか。特にサイドイベントには、14の自治体が参加し、その場で食の日本旅行をすることが出来る貴重な機会となりました。また、今後プロモーションをするにあたり、当事務所も、海外販路開拓に挑戦する企業を支援する行政側も、欧州市場の特徴やトレンドについてキャッチアップしていく必要があると感じました。気候風土や文化的背景から、どのような食文化を築いてきたのか、食についてどのような価値観を持っているのか、理解を深めていきたいと思います。そのためにも、継続的にプロモーション活動を実施し、試行錯誤を繰り返していく必要があると思います。
今後も当事務所は、自治体の欧州でのプロモーション活動の支援を行っていきたいと考えております。
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