第12回企画展をパリ・ディジョンで開催しました!
クレアパリ事務所では、日本各地の伝統工芸品や伝統産業技術に焦点を当て、日本の地方が持つ魅力を広く発信する企画展「『伝統と先端と』~日本の地方の底力~」を今年も開催しました。本企画展は12回目を迎え、昨年に引き続き、パリとディジョンの2都市で実施しました。
出展品のテーマは「衣食住」で、日々の生活で使用できるものを中心に、日本の匠の技が光る出展品を揃えました。今回は全国22自治体から約300点が出展され、日本の地域の多彩な魅力が披露されました。
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この企画展では、フランスの方々に日本の伝統工芸品を見て、実際に手に取り触れることで日本文化に親しんでいただくとともに、展示・販売を通じて出展者にテストマーケティングの場を提供しています。来場者から商品の色、大きさ、形状などについて直接意見を聞き取り、そのフィードバックを出展者へ届けることで商品改良の参考にしていただいています。
ディジョン展の様子① | ディジョン展の様子② |
ディジョン展では、会場となった「ディジョン国際ガストロノミー(美食)展」にちなみ、食に関連する製品約100点を出品しました。日本製品として人気の高い包丁など、売り切れの商品も出ました。これまでは、日本関連のイベントや施設で出展することが多かったですが、今回は初めて食品見本市での出展となり、必ずしも「日本」を目当てに来られたわけではない来場者が、たまたま目にした商品を購入していただいたことに手ごたえを感じました。
パリ展の様子① | パリ展の様子② |
パリ展では、客単価が高く、高額商品の売れ行きが好調でした。11月中旬から下旬にかけての開催で、クリスマスシーズンに近いこともあり、プレゼントを求める来場者が多く、自分用だけでなく家族や友人への贈り物として商品を購入される姿が多く見受けられました。来場者からは「珍しいものが見つかるので今年もプレゼントを探しに来た」「去年売っていたアクセサリーは今年置いていないのか」といった声をいただきました。本企画展は、フランスの方々の間で着実に認知が広がりつつあります。
新潟漆器製造による箸研ぎのアトリエの様子(パリ会場) (アトリエの概要はこちら) |
また、同会場では、日本の伝統工芸を身近に感じられる「箸研ぎ体験」や、海女の方による貴重なお話をお聞きする講演会なども開催しました。参加者の皆さまは講師のお話に真剣に耳を傾け、次々と質問が飛び交うなど、終始熱心な姿が印象的でした。その情熱に私たちも感銘を受けました。
日本の伝統産業は、生産額や職人数が減少傾向にありますが、海外市場に目を向ける事業者の方が増えてきている印象を受けます。本企画展への出展を通じて、商品改良や新たな販路開拓のヒントを得るケースも増加しています。また、職人たちにとっても、このような場は自身の技術や作品への自信を深める契機となっています。日本の伝統工芸がフランスをはじめとするヨーロッパでさらなる展開を遂げられるよう、今後も継続的に支援を行ってまいります。
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