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パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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「日本の伝統と食文化を体験しながら旅行先を選べるイベント―MATSURI—」

2023年7月7日(金)から7月9日(日)にかけて、パリ郊外のParc Floralにおいて、今年で二回目となる日本関連イベント「MATSURI」が開催され、3日間で3万人を超える方が会場を訪れました。

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来場者の質問に丁寧に対応

MATSURIの会場では、「日本酒・焼酎・泡盛」の試飲・購入を通じた日本のアルコール飲料の発信に加え、「たこ焼き」や「抹茶」などの多くの和食文化が紹介されました。また、日本の伝統的な盆踊りとして有名な「郡上踊り」が披露され、多くのフランス人が踊りの輪に参加しました。さらに、着物の着付けや日本人アーティストによる太鼓の演奏なども行われ、日本の伝統をフランス人が肌で感じることの出来るイベントになりました。

クレアパリは特設ブースを出展し、日本の自治体が発行する観光パンフレットの配布や、旅行する際の留意点などの説明を行ったほか、大きな日本地図が書かれたボードを用意し、フランス人が訪れたい日本の地方に自らシールを貼る参加型のアンケート調査などを行いました。

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自治体のパンフレットに興味深々

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フランスでも和食が人気

ブースでは、「東京や京都も行きたいが、あまり知られていない素敵な地方はどこ?」というような質問や、「日本への旅行に適している時期はいつ?」「タトゥーがあるけど温泉に入れるかな?」など、日本を訪れるに当たっての素朴な質問に職員が丁寧に対応しました。

アンケート調査では、「日本で興味のあるものは何?」という質問に、「和食」と答える人が最も多くいました。和食で何が好き?と尋ねると、「お寿司」や「すき焼き」などの定番のものに交じり、「和菓子」や「お好み焼き」、「どんぶりならなんでも!」など、美食の国フランスらしくバラエティに富んだ回答があり、和食への関心の高さに驚かされると同時に、今後もより一層和食のマーケットは拡大していくのではないか、と期待が高まりました。

また、「日本で訪れたことのある場所は?」という質問では、京都や奈良など、海外からの観光客に特に人気な場所に加え、「飛騨高山(岐阜県)」(合掌造りの民家など、昔の農山村風景がある)、「直島(岡山県)」(草間彌生氏の作品である「赤かぼちゃ」のほか島全体に美術作品が展示されているアートの島)、「宮島(広島県)」(海上に浮かんでいるように建つ嚴島神社が有名)などの地方の観光地を挙げてくれる方や、「礼文島(北海道)」、「知床半島(北海道)」、「屋久島(鹿児島県)」など日本人でも滅多に訪れることがないような自然豊かな地域を挙げた人がいたのが印象的でした。

さらに、会場では、日本酒や焼酎の試飲が可能であったことから、「高知の日本酒が美味しかったので観光で行ってみたい」、「焼酎を作っている地域はどこ?」など、体験した食文化をきっかけとして日本への旅行に興味を持つ方もおり、「食文化×観光PR」の相乗効果でよりその人に合った具体的な地域を紹介できる場面もありました。

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多くの来場者がアンケートに参加しました

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日本地図にシールを貼る来場者

今回のPRを通じて、フランス人は、人気スポットだけでなく、「その土地が持つストーリーが豊富な地域」を好む傾向があると感じました。知名度のある観光スポットだけでなく、人間の手が加えられていない自然のままの景色や、素朴な農村漁村の風景など、ともすると現代の日本人が忘れがちな情景が、フランス人の目には新鮮に、そして魅力的に映っているようでした。

フランスからの訪日客は、2019年に過去最高の33万人注)(ヨーロッパ圏ではイギリスに続き第二位)となり、その後も着実に増加することが期待されていた矢先、新型コロナにより大きな影響を受けました。フランスは、日本のインバウンド復活に向けた重要な国の一つです。その土地のストーリーを大事にするフランス人の視点は、日本の地方の魅力の再発見に繋がるに違いありません。(注:JNTO 訪日外客統計-国籍別訪日外客数データより)

MATSURIは、現在のフランスにおいて、日本の伝統文化や食文化を体験しながら旅行先を選べる数少ない貴重なイベントとなっています。クレアパリでは、今後も、MATSURIを始め、あらゆる場面・機会を通じて、日仏交流の深化やインバウンド確保に貢献できるよう活動してまいります。

 

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