高松盆栽の魅力をフランスに!
香川県 交流推進部 県産品振興課 主任 杉本 晃浩
盆栽(BONSAI)とは、「草木を鉢の中で育てていきながら、自然の風景を凝縮して表現することで、自然にある姿以上の美しさを求めて手入れし、鑑賞するもの」です。
香川県高松市の鬼無地区と国分寺地区は、松盆栽の一大産地で日本の出荷量の約80%のシェアを占めており、「高松盆栽」のブランドで国内外から高い評価をいただいています。こうした中、荒々しい幹肌で風格があり、剛直で長い葉が特徴の黒松が2020年にEUへの輸出が解禁されたことを追い風に、香川県では、高松盆栽の認知度向上と販路拡大を目指して、特に西欧でのPRに取り組んでいます。今回は高松盆栽輸出振興会の尾路会長と盆栽師の平松浩二氏にご同行いただき、本県が2024年10月4日から7日にかけて南フランスで実施した高松盆栽のPR活動を紹介いたします。
【ニース盆栽センター】(10月4日)
ニースの盆栽販売業者であるニース盆栽センターにおいて、地元の盆栽クラブ役員や顧客を招待し、尾路会長による高松盆栽の紹介と平松氏によるデモンストレーションを行いました。平松氏ならではの盆栽の世界観を表現いただき、特に木の枝に枯れた部分を作り、自然の厳しさを表現し、盆栽に独特の風格と深みを与える「神(ジン)」や、針金を使って枝を調整する工程は、参加者に強い印象を与えました。
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デモンストレーション前の盆栽 |
デモンストレーション後の盆栽 上部の枝の白い箇所が「神(ジン)」 |
【カールトン・カンヌ・リージェントホテル】(10月5日)
カンヌのカールトンホテルにおいて、メディア関係者や顧客など約50名を招待し、高松盆栽(黒松)のデモンストレーションと贈呈式を行いました。デモンストレーションは、盆栽の葉を整えつつ、参加者からの質問に答える形で進行しました。盆栽を所有している参加者からは、管理方法に関する具体的な質問が寄せられ、技術的なアドバイスを提供しました。その後、デモンストレーションで整えた高松盆栽(黒松)の贈呈式を行いました。盆栽はカールトンホテルの中庭に展示され、現在も管理していただいております。今後、この展示を通じて、多くの方々が高松盆栽に興味を持つことを期待しています。
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カールトンホテルで関係者とともに撮影 | 贈呈した高松盆栽(黒松) |
【国立ニース東洋美術館】(10月5日~7日展示、10月6日デモンストレーション)
国立ニース東洋美術館において、10月5日から7日の間に高松盆栽を中心とした盆栽の展示が行われ、約750名の方に来館いただきました。美術館の螺旋階段近くの開放感のあるスペースに展示することで、訪れた多くの人々に鑑賞していただけました。10月6日にはデモンストレーションを行い、約150名の方にご参加いただきました。特にご家族で参加いただいた方も多く、中にはお子様が熱心に見入るなど、その魅力を親子で共有する姿が特に印象的でした。
また、国立ニース東洋美術館は、私が勤務している香川県庁舎東館と同じく、現代建築の巨匠・丹下健三氏が設計した建築物です。遠く離れた地でこの共通点を見つけることができ、特別なご縁を感じました。
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展示されていた盆栽 | デモンストレーションの様子 |
【カンヌ市】(10月7日)
最後に、カンヌ市へ高松盆栽(黒松)の贈呈式を地域のシニアクラブで行いました。
この式典では、バリアンテ副市長をはじめとする関係者と高松盆栽の贈呈を記念したプレートの除幕式を行いました。盆栽はそのままシニアクラブに展示されることになっており、盆栽にかかわるイベントを開催することを検討していただいております。
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除幕式の様子 |
高松盆栽の知名度はまだ十分ではありませんが、地中海性気候の南フランスは黒松を育てるために非常に適した環境が整っていますので、今回のPR活動をきっかけに、少しでもその認知度が向上し、多くの方々に高松盆栽に興味を持っていただけることを願っています。
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