パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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日欧地域連携年次会議 パネルディスカッション、クロージング

(4)パネルディスカッション

「デジタルトランスフォーメーション、グリーン・トランジションの観点から見た日欧地域連携の好事例、課題、可能性」

 

〇仙台市

仙台市産業振興課課長 荒木田  理 氏

Q. ヨーロッパ、特にフィンランドのICTやデジタル技術と連携して進めた「Bosai Tech Innovation」について聞きたい。2024年を目標にしているグローバル展開は、この技術を世界中に普及させる良い機会だ。課題ではあるが、この展開のための国際連携をどうやって加速させていくか。また、そのためのメッセージを、今日、この会議に参加したヨーロッパの地域やクラスターへお願いしたい。欧州側の参加者は、仙台市との将来的な連携協力を検討するためには、どうしたらよいか。

A. ・気象変動による災害の激甚化は国際社会が持つ共通の課題と認識している。

・2015年に開催された第3回国連防災世界会議で採択された「仙台防災枠組」の理念を社会に実装し、世界の災害リスクの削減に仙台市は貢献する事にコミットしている。

・その為には国際連携の枠組みを加速し、各国の災害に対応した新たなデジタル技術によるソリューションを開発し、世界に展開していく必要がある。

・今年の秋以降、防災の課題やそれを解決するICT(情報通信技術)ソリューションの情報共有、事業開発を促進するための、オンラインを中心とした防災テックオープンイノベーションプラットフォームを設置する。

・国や自治体、大学、国内外の企業の参画を呼び掛ける予定で本日この会議に出席頂いている日欧両地域の団体にも是非参加いただきたい。

・また、経済産業省と東北大学では防災のISO化に取り組んでおり、将来的にはこのプラットフォームから生み出されるソリューションの規格化も支援し、国際市場への展開を後押しする考えである。

 

〇エナジー・エージェンシーNRW(ドイツ)

インターナショナル・リレーション・ヘッド ステファヌス・リンカー氏

Q. 1月に開催した「EU・日本地域協力グッドプラクティス・ウェビナーシリーズ」で、福島県との素晴らしい連携関係を紹介してもらった。貴エージェンシーは、福島県のエネルギー・エージェンシー設立のモデルとなり、日本のこの地域における地域活性化とグリーン・トランジションの優れた例となった。グリーン・トランジションの枠組みの中で、日欧だけでなく、他の国々も含めて、この連携関係にどのようにして新しいパートナーが参入できるのか。今後の国際戦略は何か。

A.通常は2国間関係であるが、他の地域から関心があるようならば、エージェンシーとして、我々と関係を築くことはできる。

・国際戦略は、3つの要素を持っている。1つ目に、政府機関等とMOUなどの政治的なフレームワーク構築が必要と考える。2つ目に、我々エージェンシーは、トランスフォーメーションのスペシャリストであり、一政府や一クラスターのためだけではなく、クラスター形成、インフラやソリューションの構築をより長期的に支援することだ。ビジネスの開発も重要視しており、サイエンスだけにフォーカスしているのではない。そして3つ目には、国際連携において、私たちのパートナーである中小企業をサポートすることである。

 

〇株式会社ANA総合研究所 

「元気な日本」創生事業部執行役員 事業部長 藤崎 良一 氏

Q. 地域連携の枠組みの中で、グリーン・トランジション、デジタトランスフォーメーションへという観点から、ANAの戦略について教えていただきたい。

A. ・2019年10月に、Association of British Travel Agentという団体の会議をホストし、イギリスの旅行会社やメディア関係者といった500人ほどを日本に招いて開催した。ビジネスセッション、オープニングセレモニーなどを含む3日間のイベントで、東京エクスカーションや国内旅行を企画し、ゲストには旅行業界で働くエグゼクティブを迎えた。そのほとんどが日本を訪れるのは初めてで、日本の地方を紹介し、地域の活性化に貢献していることをアピールする絶好の機会となった。日本には多くの素晴らしい場所があるが、まだインバウンド観光客が訪れるまでに宣伝が十分でない場所も多い。京都、大阪、広島、箱根、金沢、福島、瀬戸内へ、私たちはそれらの場所を訪れる機会も提供した。

・会議では、持続可能性に関するガイダンスに沿い、プログラムや会議関係情報をモバイルアプリで提供しペーパーレスを促進したり、ペットボトルではなく、ボトル容器を配布し利用を推奨した。

・自分の国や都市で会議を開催した場合、今回も観光を学んでいる学生のボランティアが協力してくれており、地元の方々と一緒になって会議を創り、取り組めることは有益である。

・また、グリーン・サステナブルな活動の一例としては、国際民間航空機関に加盟しており、2010年に開催された会議では、CO2排出量に関する国際航空環境を促進するために、2050年までに燃料効率を毎年平均2%改善させ、2020年以降は温室効果ガスの総排出量を増加させないという目標を掲げている。この目標を達成するためには、新しい技術を導入する必要がある。つまり、航空機のエンジンのことを言っているのだと思うが、エネルギー効率の良い航空機を使用したり、飛行計画を改善したり、フライトの高さを改善したりすること等である。

・また、燃料の新エネルギーへの転換においては、新エネルギーのコストが高いという大きな課題がある。経済的な側面も考えなければならない。そこで、カーボン・トレード、CO2を排出する権利についての話が出てくるが、これにはいくつかの問題があり、今年からその問題に取り組む予定である。ご存知のように、私たちは非常に厳しい状況にあり、このCO2のトレード権は、会社の経営に大きな影響を与えるが、今後、極めて重要な点であり、最大限取り組んでいく。

 

〇岐阜県 

岐阜県観光国際戦略アドバイザー 古田 菜穂子 氏

Qデジタル・トランジションの動きの中で、岐阜県が今後のサステナブル・ツーリズムに期待していることを、もう少し詳しく教えていただきたい。

A.ダヴィンチコードのカメラマンチームが作成した動画は大変好評で、1年で1万回再生されており、デジタルトランスフォーメーションの取り組みに利用している。動画が見られるWEBサイトにすべての事業をリンクさせ、単なる観光地の紹介だけではなく、「体験」、「宿泊」、「食」の予約及び「モノ」の購入ができるようになっている。

・また、このデジタル・マーケティングを活用して、各サイトへのアクセス件数や予約・購入データ等を分析し、今後のより効果的なプロモーションへと繋げている。

・これらの取組みにより、アフターコロナにおいても、岐阜県の強み(魅力)であるサステナブル・ツーリズムの推進と県産品の海外輸出の双方で効果をあげていきたい。

 

〇アルファRLH(フランス)

インターナショナル・ヨーロピアン・プロジェクト・マネジャー イザベル・トヴェナ・ペコー氏

Q. カナダ、アメリカ、中国の3つの輸出市場で、中小企業の国際化をサポートするとお聞きした。第三国での戦略はどのようなものか。中国と日本のオフィスの間にシナジー効果があると考えるか。言い換えれば、あなたのメンバーやパートナーは、EU+日本+中国または米国の多国間プロジェクトに参加できるか。その場合、デジタル及びグリーン・トランジションの枠組みの中で、今後のプロジェクトとして注目する主な分野は何か。

A. ・私たちには、2つの主要なテクノロジー事務所があり、1つ目はフォトニクス・レーザー、2つ目はエレクトロニクス・マイクロ波に関するものである。これらの技術は、スタートアップ開発の初期段階にあり、世界とのつながりや市場を視野に入れている。アメリカ、中国、日本に新しいオフィスを開設し、戦略を持っている。まずは、中小企業や研究所が海外に出るように動機づける必要がある。我々は、輸出活動や共同プログラムに必要なすべてのステップをサポートしてきた。我々は、ヨーロッパの共同プロジェクトを中心に活動している。この戦略では、PMAP+プロジェクトを実施しており、中小企業や大企業の国際市場への進出やイノベーションの支援を目的としている。国際的なターゲットとしては、中国、アメリカ、カナダ、日本としており、国際的ロードマップを作成しようとしている。日本でオフィスを開設することを決めた際には、我々は、中国と日本の間での混合あるいは補完的なミッションを考えていた。

・Photon Hub Europeというヨーロッパのプロジェクトでは、中小企業を支援し、フォトニクスの導入、イノベーション、投資を促進することを目的としている。フォトニクスは、新産業やインダストリー4.0の原動力となるアプリケーションに不可欠であり、現代の巨大な世界構造や環境問題に根本的に取り組むためには、非常に重要なものである。

・我々は、あらゆるヨーロッパのコミュニティと日本との間に橋を架けることを目指している。また、国際的には、国際ビジネスコンベンションを2年に1度開催している。通常はボルドーで開催され、2022年には、このコンベンションに皆さんを招きたい。

・我々のヌーヴェル・アキテーヌ地方には、パートナーがおり、このつながりはヨーロッパにも広がっており、中小企業や研究所にとって戦略的な国内および国際的なネットワークもある。

 

〇茨城県 

茨城県営業戦略部国際ビジネス推進監 綿引 伸一 氏

Q茨城県には日本で研究施設が最も集積している事実に基づいて、グリーン&デジタル・トランジションの観点から、県は将来に向けてどのような戦略をとっているのか。ヨーロッパの地域のステークホルダーやエコシステムは、どのようにして茨城県の戦略と関連したり、県や県のクラスターと共にプロジェクトを始めることができるのか。

A.茨城/つくばでは、日本有数の研究機関集積地としての利点を活かし、サイエンスシティーを目指しており、IOTやAIなどのデジタル技術を産業や医療分野の技術開発に活用し、社会実装を目指す具体的なプロジェクトを進めている。

・まず、「つくばデジタルバイオ国際拠点」プロジェクト。このプロジェクトの目的は、つくばに集積している世界最大級の様々な「バイオリソース」と「デジタル技術」を融合・駆使して学際的な研究を行ない、世界最先端のバイオエコノミー社会を作り出すことである。さらに、研究で終わらせるのではなく、研究成果を製品として開発し、社会実装まで目指している。

・このプロジェクトには、筑波大学を中心として、研究機関、民間企業、行政など様々な機関が参加しており、外資系企業の参加を歓迎する。

・また、「つくばスーパーサイエンスシティ構想」も動き出している。スーパーサイエンスシティとは、AI やビックデータ等の未来技術を活用することで、生活の中の「困りごと」の解決を図り、暮らしを支える様々な最先端サービスを地域に社会実装していく取組。すでに、実証実験フィールドの提供を開始しており、公道での電動車いすの自動運転実証実験のサポート等を行っている。

・このほかにも、日本第3位の農業県としての特色を活かして、「スマート農業」の普及に向けた実証事業を進め、ロボットや人工知能(AI)を農業に取り入れることで、農家の担い手不足の解消や収益向上を目指している。

・これらの県内における科学技術とデジタルを融合した戦略を世界に向けて発信するため、これまでに G7 科学技術大臣会合や G20 貿易・デジタル経済大臣会合をつくばで開催し、EU をはじめ世界との協創を目指している。この取組にご関心がある欧州のクラスターや企業は、ぜひ茨城県まで連絡してほしい。

 

(5)クロージング セッション

〇日欧産業協力センター専務理事・駐日欧州連合代表部 公使参事官                         

フィリップ・ドゥ・タクシー・ドゥ・ポエット氏

・産業クラスター、地域、都道府県、都市、地域エコシステムの中で行っていることは、非常に重要で有益なことだと考えている。なぜなら、経済成長、雇用、富をもたらすために必要な主要な利害関係者、すなわち、中小企業、新興企業、そして大企業、中小企業と大企業のつながり、研究者、地元の政策立案者、銀行やベンチャーキャピタルなどの密接な関係の恩恵を受けているからである。

・物事がローカルレベルで実際に起こっていることを繰り返すことは、起業家精神、技術移転、科学の利用、技術や産業の成長を考えると、非常に重要である。地域のエコシステムはローカルなものに留まらず、ほとんどが初めからグローバルな視点を持っている。だからこそ、我々は日欧産業協力センターとして、日欧のローカルエコシステムのつながりを促進しようとしている。企業はいつまでも小さいままでいたり、生まれた地域に留まっていたりすることはできず、グローバルな視点を持ち、そのためにはグローバルなパートナーシップが必要である。ある意味、日欧産業協力センターが皆様をつなぐ理由は、こうした地域のエコシステムを日欧間でつなぐことで、日欧の新しいビジネス協力の基盤を築くことができるからであり、それが最終的な目的である。

・我々が注目して提案したいのは、グリーン・トラジションとデジタルトランスフォーメーションである。農産物の分野は、日欧経済連携協定の中でも最も重要な分野のひとつであり、日欧にとって非常に重要なことである。また、バイオテクノロジー、医薬品、健康分野は、パンデミックだけでなく日本やヨーロッパのいくつかの国は高齢化が進んでいるため、この高齢化した人口をどのように管理するかという問題や、健康は非常に重要な分野である。そして、持続可能な観光も強調したい。日本でも観光産業はますます重要になってきているが、時としてマイナスの影響を与えることもあり、注意しなければならない。

・今回の会議及びマッチメイキングでは、ヨーロッパのクラスターと日本のクラスターを結びつけ、双方の状況の現実を考慮しながら、特に日本では、都道府県の重要性を考慮しながら、議論の機会を提供したい。このように、ヨーロッパと日本の関係者が橋渡しをして、つながりを持ち、議論し、会うことができる可能性を与えることは非常に重要である。ある意味では、これはヨーロッパで何年も前からEU加盟国間で行われていることであり、日本にもこの地域主体の地域エコシステムのネットワークを拡大していきたい。

・将来のために2つの点について考えていただきたい。一つは、日欧産業協力センターでは、日欧のヴルカヌスというプログラムがあり、ヨーロッパの若い人たちが1年間日本に来て、産業界で働いており、とても人気があるところだ。産業クラスターや地域、県などがお互いのことをもっと知るために、こうしたピープルモビリティ制度が役に立つと思うか。もしそれが役に立つならば、ヨーロッパのあるクラスターから日本のあるクラスターへのモビリティの可能性がある場合、どのようなタイミングが良いのか、どのくらいの期間が必要なのか、また、ヨーロッパから日本へ、あるいは日本の地域からヨーロッパのクラスターへ行く機会を持つ参加者のプロフィールはどのようなものなのか。「人のモビリティについて、クラスターと都道府県のための可能な移動スキームをどのように設計すべきか」、これが一つ目の質問である。

・二つ目の質問は、すでに数年前からヨーロッパと日本の間で実施されている、いわゆるビジネス・ラウンドテーブルに関連するものである。ヨーロッパと日本の企業のグループで、ほとんどが大企業だが、最近は中小企業も増えている。このビジネス・ラウンドテーブルには、さまざまなビジネス組織が参加している。例えば、デジタル・ヨーロッパのように、ヨーロッパのデジタル分野の何百もの企業を代表するビジネス組織もある。そこで、皆様が産業クラスター、都道府県、地域のエコシステムの中で多くの企業や中小企業をホストしていることを考えると、ヨーロッパや日本でホストしている企業を代表して、ビジネス・ラウンドテーブルに参加する可能性をどう考えるか。この2つの質問、将来に向けたアイディアについて、今でなくて構わないので、ご意見があればお聞きしたい。

日欧地域連携年次会議 オープニングセッション

(1) オープニングセッション(発言要旨)

〇EU委員会

クラスター・インターナショナリゼーション・チームリーダー クリストファー・ギシャール 氏

・産業クラスターは、経済にポジティブなインパクトを与えることが明らかである。

・クラスターに加入している企業は、成長と質の高い雇用を生み出し、正確なマーケットリサーチを行い、単独で動いている企業と比較し、多くの特許を取得している。また、日欧以外の第三国への進出など国際化にも役立つ。

・日欧のクラスターや地域がビジネスで協力関係を築くため、互いの関係性を作る必要があるが、今回のイベントはまさにその一歩。地域やクラスター同士が円滑に連絡を取り合える関係性となることをEU委員会はサポートする。

・輸出入は、中小企業単独では難しく、海外のビジネスパートナーを得ることが重要となる。2日目のマッチメイキングで、パートナーを見つけていただきたい。

・国際化は中小企業にとっての1つの大きな壁であり、クラスター連携は特に中小企業にとって重要。第三国の情報、マッチメイキングなど、クラスター組織からは専門化されたサポートが得られる。

・大きなメリットはクラスター連携の中で、単なるビジネス上の付き合いを越えて、よりよい長期の戦略的な連携を求めることができること。

・クラスターはこのコロナ禍でも機能しており、多くの企業が世界規模のバリューチェーンに繋がるための中核としての機能を果たしている。

 

〇日欧産業協力センター 

エグゼクティブ・アドバイザー(EUマネージングデレィレクター付) ファブリッツォ・ムラ 氏

・日欧地域連携ヘルプデスク事業のミッションは、日欧における中小企業の国際化、相互市場での提携推進。

・日欧のクラスターや自治体が、スタートアップ企業の海外進出支援というミッションを共有しているため、日欧産業協力センターの活動範囲を超えた活動ができる。

・クラスターや自治体の連携により中小企業の国際化を進めようという取組を2015年に始め、欧州のクラスターやスタートアップによる日本へのアプローチの支援を始めた。

・4カ月に1度クラスターサポートミッションを開催し、バイオテク、ナノテク、IOT、航空宇宙産業などに注力しており、このような取組が日欧地域連携ヘルプデスク開設に結び付いた。

・2018年11月に東京で開催された日欧地域間協力セミナー参加者の何人かが本日も出席されている。

・自治体及びクラスターが継続的にいつでも連絡を取り合うというニーズがあり、本日の議論や明日のマッチメイキングイベントにも関係する。

 

〇日欧地域連携ヘルプデスク 

アルザス欧州日本学研究所(CEEJA)プレジデント オリビエ・ベシュト 氏

・CEEJAは2019年に当ヘルプデスク事業に参加した。現在はクレアとの関係を深め、国際協力を加速化している。ご支援いただいている岩手県、岐阜県(特に両知事)にも御礼を申し上げたい。

・当マッチメイキングイベントは、2020年にストラスブールで対面で行うことになっていたが、コロナで中止となったものである。

・将来を見据えたデジタルトランスフォーメーションの考え方から、日欧の参加者を集め、こうしたオンラインイベントを行うことにより、日欧のクラスター及び自治体間の連携が強化されることを期待している。

・来年は、日本又は欧州にて対面での会議を開催し、皆様を招待したい。

 

〇日欧地域連携ヘルプデスク

CLAIR   常務理事 南光院 誠之 氏

・2020年11月から、CLAIRとCEEJAがコンソーシアムを組み、日欧地域連携ヘルプデスクを運営している。

・当事業は、日欧間で、分野を問わず、地域の産業エコシステムの連携を促進・発展させることを目的としている。日本においてはこうした地域産業の振興は主に都道府県・政令市といった自治体が取り組んでいることから、地方自治体を支援する我々が参画している。

・昨年度は、4回のウェビナーを実施し、農業・食品産業、再生可能エネルギー、ライフサイエンスなど様々な分野における日欧地域連携の好事例を取り上げた。ウェビナーを通して、分野は異なっても、日欧両地域はお互いのよいパートナーとなること、そして地域連携を成功に導く共通の鍵が見えてきた。

地域連携成功のキーワードは次の3つである。

1.自治体トップ同士の信頼関係をベースとした両地域共通の目標

2.専門組織がリードする継続的な双方参加型活動

3.行政・企業・大学など様々な関係者を巻き込んだエコシステムの構築

・今回の会議やマッチメイキングイベントが、日欧の地域が連携する重要性や将来性、また、具体的な方策を確認しつつ、参加団体や今後、日欧の連携を考えている団体にとって有益な情報が得られ、新たな関係を創出する場となれば嬉しく思う。

 

〇岩手県

知事 達増 拓也 氏

・昨今のデジタル化の進展は、物理的距離を超え、日欧地域の人々が一つに繋がることを可能とした。

・先端技術を活用して開催されたこの「日欧地域連携年次総会」は、日欧地域連携の新しい可能性を示すものだ。

・2011年3月に発生した東日本大震災津波における欧州の皆様からの岩手への御支援に、改めて深く感謝申し上げる。フランスからは、市民安全部隊の派遣や救援物資の提供をいただいた。また、欧州の各都市で、市民の皆様に被災地支援の活動を行っていただいた。

・これまでの10年間で、大津波の襲来に耐えられるように町や村は再生し、コミュニティやビジネスの活動も活発になっている。

・2023年にはフランスでラグビーワールドカップが開催される。ラグビーワールドカップは、2019年にアジアで初めて日本で開催された。被災地として唯一、岩手県釜石市が開催都市に選ばれ、試合が行われた釜石鵜住居復興スタジアムは、被災した小中学校跡地に建設された。

・今後も復興に力強く取り組む地域の姿や、世界中から頂いた御支援への感謝を伝えるとともに、震災の教訓や岩手の魅力を国内外に発信していく。

・岩手県は、CEEJAやアルザス地方と積極的に交流している。2014年からはCEEJAの協力のもと、コルマール国際旅行博へブースを出展し、観光や県産品の魅力を発信している。オリビエ・ベシュト所長には何度も御来県いただいているほか、2019年からは、日欧地域連携ヘルプデスク事業を共同で実施している。

・また、日仏友好160年を記念して開催されたジャポニスム2018に参加し、パリで岩手の郷土芸能を披露するなど、日欧の文化交流も進めている。

・岩手県が特に力をいれているのが、科学技術分野における日欧の連携である。

・欧州のCar of the year2021を受賞したのは、フランスで製造されたヤリスだが、工場は岩手県にある。

・素粒子物理学の国際プロジェクトILC・国際リニアコライダー計画については、日本での実現に向け、世界の研究者が活発な活動を行っているが、岩手県は、ILCの建設候補地として、世界の研究者やその家族を受け入れる準備や、加速器や関連する産業の振興などに取り組んでいる。

・ILCは国や地域、言語、宗教などの隔てなく、世界中の研究者、技術者が結集する国際プロジェクトである。その実現には、素粒子物理学と加速器関連産業の先進地である欧州諸国の協力が欠かせない。欧州と日本、そして世界をつなぐILCの実現に向け、引き続き、御協力をお願いしたい。

・日本や欧州において、人口密度の低い地方でのコロナの感染リスクが低く抑えられており、地方の安全性や魅力・豊かさが再認識されている。

・本総会のようなオンラインの活用は、地方の飛躍につながる未来志向の取組であり、日欧地域間連携のチャンスを生み出すものである。こうした取組の継続により、やがて多くの人々の往来が再開した際には、経済的・文化的交流がますます発展しているだろう。

 

〇岐阜県

知事 古田 肇 氏

・昨年、コロナ禍にあって、ドイツのメルケル首相は、「今は離れていることが愛情の表現です」と、social distancingについて語った。私も、まさに、こうしてオンラインで日欧地域連携年次会議を行うことが、今日の日欧連携の証しであると感じている。

・本県は、「観光・食・モノ」を一体化させて「岐阜ブランド」として売り込むプロモーションを行うとともに、地域毎の特色、魅力を踏まえて、文化・芸術・学術など多層的な地域間交流を推進し、よりトータルな連携を追求している。

・フランスとの間では、2008年の「日仏交流150周年」を契機に、在日フランス大使館と本県との間で「フランス・岐阜/地域交流プログラム」を策定し、観光や農産物から科学技術、教育に至る包括的なプロモーションを実施してきた。

・特に、アルザス地域との交流では、まず、2014年に飛騨地酒ツーリズム協議会とアルザスワイン街道が友好宣言を締結した。そのことを契機に、本県とオ=ラン県、高山市とコルマール市、白川村とリクヴィル村、岐阜ONSENガストロノミーツーリズム推進機構とアルザス・ディスティネーション・ツーリズムとの5層の交流が進んでいる。

・最近では、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館とル・ブルジェ航空宇宙博物館のパートナーシップに関する合意を交わし、連携企画展を開催するなど、多彩な交流へと発展している。

・第二次大戦の際、ユダヤ人に「命のビザ」を発給した本県出身の外交官である杉原千畝氏を縁に、リトアニアと文化や観光など様々な分野で交流を進めている。昨年は、杉原氏の生誕120年・命のビザ発給80年を記念して、記念碑の設置や杉原氏の演劇公演など両地域において盛大な顕彰イベントを行った。コロナ禍で交流が大変難しい中にあっても大いに絆を深めた。

・これらはほんの一例であり、イギリス、ドイツ、ハンガリー、チェコ、イタリア、スペイン、オーストリアなど次々と展開しており、その結果、欧州からのインバウンドは、この10年間で約10倍へと増加している。

・本県が誇るブランド和牛である飛騨牛の欧州への輸出量は、2014年度は約0.4トンにも満たなかったものが、2019年度は欧州全体で約13トンと35倍以上に、また、飛騨牛海外推奨レストランは、同期間で、0店舗から13店舗へと増加している。

・海外のセレクトショップと連携した「グローバル・アンテナ・ショップ」も世界に13店舗、うち欧州には5店舗展開しており、美濃焼や美濃和紙など、本県の地場産品の販路拡大にも繋がっている。

・現在、新型コロナの影響により、両地域の人の往来が困難な状況が続いている。こうした時こそ、これまで培ってきた交流・連携をしっかりと深めていかなければならないと考えている。このため、アフターコロナをも見据えて、リモート会議の開催、オンラインを活用した人と人との交流、県産品の販売・プロモーション、旅行博への参加など、あらゆる機会を捉えて、連携強化に努めている。

 

〇欧州クラスター協力プラットフォーム(ECCP)

プロジェクト・マネージャー ジャン・マーテン・ドゥ・ヴ 氏

・日本との連携は経済開発協力機構(OECD)を通して以前から行っている。EUにとって日本のクラスターは極めて重要だ。

・ECCPという我々のクラスターは2015年に設立された。産業クラスターで、欧州経済を強化することが目的である。欧州クラスター協力プラットフォームで目指したいのは、クラスターの国際化である。

・ECCPとしては、世界のクラスターにも欧州のクラスターと連携してもらいたい。クラスター連携を通じた競争力と持続可能性を向上、特に中小企業の競争力を上げることが重要だと考えている。

・ECCPは、クラスター関係者の欧州のオンラインハブになり、欧州のカウンターパートと連携を希望する第三国におけるステークホルダーのリファレンス窓口を目指している。

・クラスター間の協力促進を2015年から行い、プラットフォームには1,254のクラスターが登録している。日本のクラスターも登録しており、登録者はサービスを利用できる。

・ECCPはリニューアルし、価値提案(バリュープロポジション)を新たに行った。オンライン上にて、どのようなデバイスでも満足度を向上できるように、包括的なクラスターマッピングやダイレクトに交流できる機会を用意し、フォーカスエリアにEUの優先項目と参入のエコシステムを掲載している。第三国のページも追加し、医療等を優先し、クラスターの会員間コンタクトの便宜を図っている。

・まずはプロフィールを作成し、定期的にアップデートしてもらいたい。論文やニュースのアップ、成功事例のシェア、イベントのアナウンスをすることができるツールもある。

日欧地域連携年次会議 トレンドセッション

(3)日欧地域連携のトレンドセッション 

~日欧地域連携に取り組む日欧各地域から具体的な取組事例発表

 

〇アルファRLH(ヌーヴェル・アキテーヌ州,フランス)

ジャパン・ミッション・オフィサー ロマン・モンティニ 氏、プロジェクト・マネージャー アリシア・ラファイエ 氏

“PIMAP+, ディープテクノロジーにおける日本との協力を促進する欧州プロジェクト”

・拠点はボルドー地域。フォトニクスとレーザー、エレクトロニクスとマイクロ波の2つのテクノロジーが中心である。この2つのテクノロジーで4つのマーケット(ヘルスケア、航空宇宙、国防、通信セキュリティ、エネルギー、スマートビルディング)を狙っている。また、分野横断的にデジタル技術も狙っている。

・私たちのクラスターには約300の会員がおり、そのうち200以上が企業で、うち、ほとんどが中小企業。国際事務所を中国と米国に持っており、現在24名の体制で動き、年間40のイベントをホストしている。 

・「PIMAP+」というプロジェクトを欧州委員会とのタイアップで、ヨーロッパで進めている。スウェーデン、フィンランド、ポルトガル、イタリアがメインパートナーとなっており、全てフォトニクスのバリューチェーンをカバーしている。テクノロジープロバイダーだけではなく、インテグレーター、エンドユーザーも入っている。フォトニクスの上流から下流までカバーし、航空宇宙、 アドバンスマニュファクチャリング、製鉄業の3つのマーケットを対象に、会員中小企業を4つの輸出市場(アメリカ、カナダ、中国、日本)に進出させることを狙っている。

・来年度は日本へビジネスミッション団を送り、我々の会員をアピールしたい。

・日本に事務所を開設したのは、会員が日本市場に関心を持っていたこと、日本は科学技術のリーダーでもあり、特許の集積も大きく、メンバーの関心にもあう新たな可能性のある市場であるため。一方で、距離が遠いことから現地にいた方がよく、ビジネスをするためにも文化の違いを知らないといけないということもあった。現地へ足を運んで、コンタクトをとることが重要と考え、それによって、パートナーを特定することが大切だと考えている。

・まずは、ステークホルダーとネットワークの構築づくりをし、ヌーヴェル・アキテーヌ州のアカデミアと企業のプロモーションし、最終的にビジネスをとっていく。企業のビジネスや市場アクセスの便宜を図り、更にはイノベーション開発を進めている。

・見本市やフォーラムがあるたびに、会員代表として、会場に足を運ぶことを大切にしており、日本事務所へコンタクトをとってもらうことでビジネスを更に発展させたい。

 

〇茨城県

茨城県営業戦略部国際ビジネス推進監 綿引 伸一 氏

“欧州とのビジネスの架け橋 ~ 茨城県のビジネスマッチングサポート ~”

・ つくばは、最先端の科学技術の集積地で、日本の国等の研究機関の 30 %以上が立地。約2万人の研究者がおり、そのうち8,000人は博士号保持者、7,000人は外国人研究者である。

・つくばには、つくばライフサイエンス推進協議会(TLSK)という、つくば国際戦略総合特区の基盤組織として設立された団体がある。ミッションは、ライフサイエンス分野における共同研究・開発を促進することである。

・ メンバーは、60機関以上あり、筑波大学や国等の研究機関をはじめ、アステラスやエーザイといった世界的な大手製薬企業も含まれている。

・ TLSKの成果としては、ヒト組織バイオバンクセンターの運営や、病気予防のためのゲノム編集による機能性を強化した農作物の開発などである。

・ 茨城県とつくば市は、2020年7月に内閣府からスタートアップ・エコシステム東京コンソーシアムのグローバル拠点都市に選ばれた。

・ 東京とつくばなどの研究開発拠点の集積エリアを結び、更にスタートアップを生み出していく計画である。

・現在においても、つくばからは、350以上のスタートアップが誕生している

・ 中でも、筑波大発のスタートアップ「サイバーダイン」は、ドイツ・ボーフム市に拠点を持ち、脊髄損傷や脳卒中を含む脳・神経・筋疾患の患者に対する機能改善治療を提供している。

・本県でのビジネスに関心のある欧州企業と、県内の大学、研究機関、企業等を結びつけるため、マッチングイベントを開催している。

・茨城に参加いただいた海外企業からは、茨城に立地することを決めたという声や、茨城県のおかげで日本におけるネットワークが広がったという感想をいただいている。

・より良いビジネスマッチングを行うため、私たちのチームには対日投資アドバイザーがいる。アドバイザーは、ライフサイエンス分野の専門家で、研究者や企業と幅広いネットワークを持っている。海外企業の技術的ニーズを聞き取り、適切な県内の研究機関や企業とマッチングを行う。

・誘致ターゲットとしている分野は、ライフサイエンス分野における研究開発型の企業と、IoTやロボティクスといった革新的技術を持った企業である。日本で研究開発のためのパートナーを求めている企業や、日本に研究開発拠点の設置を考えている企業の力になれる。

 

〇エナジー・エージェンシーNRW(ノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州,ドイツ)

インターナショナル・リレーション・ヘッド・ステファヌス・リンカー氏

・NRWはドイツのパワーハウス。エネルギー州としては、ナンバー1で、数十年前から、エネルギーエージェンシー、エネルギークラスターをつくり、エネルギー転換、DXを行っている。

・NRW州と福島県の連携の始まりは2011年3月11日の東北大震災のときからだが、政策的な枠組みは2013年にはじまっている。県が関わって、2014年に共同宣言し、2017年にはMOUが拡大された。様々なトピックで多様な訪問団がお互いを訪問しているが、実際オペレーショナルなスキームをもっていることが重要。

・エージェンシー同士だけではなく、例えば、JETROデュッセルドルフ事務所や日本の総領事館がパートナーになっている。エネルギーエージェンシーが東京にオフィスを構えるという機会にもなった。

・連携では、お互いに訪問し合い、福島のクラスターの中でも特に福島県再生可能エネルギー関連産業推進研究会という既存のクラスターと連携した。

・エネルギーエージェンシーふくしまが、私たちのシスターエージェンシーとして2017年にスタートし、同年にMOUを調印し、更新されている。

・パワーグリッドとも連携して情報を交換している。テクノロジーをどのようにGOTOマーケットに持っていくかが重要と考えている。

・エージェンシーが知識を独占するのではなく、企業へ還元していく、それにより連携を進めていくことが必要である。これが我々の課題でもあり、そのためにもマッチメイキングを行っている。特にプロジェクトベースで関連企業の顔合わせができるようにしている。

・JETROのリージョナルタイアッププログラムの援助も受けていた。B2Bミーティングでは、知事や副知事の来場、セミナーでの議論、一般セミナーの開催を行ったりしている。パートナーシップは多岐にわたっており、特にエネルギーエージェンシー同士のシスター提携ということから、政治の支援を受けている。ビジネス開発もしている。サッカーチームのようにワンチームで、たくさんのトピックを持ち寄り、充実した交流を続けている。

・福島でのREIFという展示会に、現地の3社とNRW州の5社がオンラインで参加した。また、今年の四半期には、東京ではFCエキスポがあった。福島県庁とともに山梨や東京にも訪問している。両エネルギーエージェンシーで月一のバーチャルミーティングを行い、政治的な枠組み、政策的な枠組みも話し合っている。

・今後もエネルギーに関しての非常に幅広い情報交換、相互からチームを派遣し、混成して、課題を話し合うサマーキャンプ、日独の相互訪問、セミナーやワークショップをオンラインで行いたい。また、県やJETROの政府機関の支援受け、大阪や山梨との連携も強化したい。

 

〇仙台市 

仙台市産業振興課課長 荒木田  理 氏

“仙台市BOSAI-TECHイノベーション創出促進事業”

ー 欧州と産業に関わる取組について

・2005年に健康福祉機器の開発支援の協力を主な目的とする、フィンランドとの協力関係に関する覚書を締結した。この協定を機に介護施設と併設するインキュベーション施設を仙台市内に設置し、近年では介護とIT技術の融合をテーマに「ニーズリサーチ」、「製品開発」「実証実験」「導入・販路拡大支援」までをワンストップで支援する取り組みを進めている。

・また、フィンランド北部最大の都市であるオウル市(ノキアの拠点都市としてITが盛ん)とは、同じく2005年から「産業振興のための共同インキュベーション協定」を締結。本協定は特にICT、スタートアップ支援、ヘルスケア、文化交流の4点が柱になっている。この協定から発展し、2017年10月にフィンランドを代表するノキア社ともIT技術等を活用したまちづくり及び地域産業活性化に関する連携協定を締結し、ドローン等による防災領域における連携などを進めている。

・ノキアとの連携事業が、世界初となる完全自律型津波避難広報ドローンの導入である。2019年11月には、協定に基づき、仙台市沿岸部でプライベートLTE通信網と津波避難広報ドローンの実証実験を実施。2021年度には、沿岸部に実装予定である。

ー 防災をテーマとしたICTサービスの開発による、世界の災害リスクの低減を目的とした「防災テック・イノベーション・エコシステム創出」の取組について

・震災復興の取組みを進める中で、2015年3月に仙台市で第3回国連防災世界会議が開催され、「仙台防災枠組2015-2030」が採択された。この枠組は、SDGs ターゲット11.bにも引用され、「仙台防災枠組に沿って、あらゆるレベルで総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う」旨が明記された。

・この仙台防災枠組の基本理念に基づき、ICTを活用したソリューションを社会に実装することで世界の災害リスクの低減に貢献できると考えている。

・具体的な取り組みが「BOSAI-TECHイノベーション創出促進事業」である。取組の柱は、オープンイノベーションによるデジタル技術を基軸としたソリューション開発、取り組みの基盤となる産学官金連携によるプラットフォームの構築、世界の「新たな防災市場」への展開の3本である。

・本市がフィンランドと実施したオープンイノベーションの事例としては、2019年度に津波などの危険地域を事前に知らせる新しいソリューションを開発するために、フィンランドからICT企業を8社仙台に招き、ハッカソンを開催したことがある。最も優秀な提案を行った企業と、2019年3月に仙台市沿岸部でPoCを実施。仙台への進出や防災ソリューションの実装に向けて協議もしている。

・2020年、海外企業連携によるソリューション創出プロジェクトは、ジェトロ・経済産業省が公募する事業で、採択を受けた仙台市及び福島県の共同プロジェクトであり、世界各国から防災分野の革新的アイディアを募集し、国内大企業との防災ソリューション創出を支援するもの。オウル市、ビジネスフィンランド、ノキア、東北大学災害科学国際研究所などからサポートを頂いた。欧州を含む世界17か国37社から、AI、IoT、VR、ドローンなど先進的な技術をもった海外企業から応募をいただき、昨年11月に9社を採択した。

・今年3月上旬には、採択された海外企業9社から国内パートナー企業へのピッチイベントを実施し、PoCや協業に向けた連携を継続する事例も出ている。仙台市としては、今後も、防災ビジネスの事業化や海外企業の誘致に向けて、東北大学の世界最先端の知見を活かしながら、引き続き支援していく。

・2030年までの防災テック事業のロードマップとしては、オープンイノベーションプログラムなどを通じた参加企業や教育機関の募集、ICTソリューション開発支援、企業・団体間の連携を促進するオープンイノベーションプラットフォーム形成、そして国内海外の市場展開に順次取組み、2030年には防災イノベーション・エコシステムを形成し世界の防災リスクの低減に貢献していく。国と東北大学災害科学国際研究所では、2023年を目途に防災の規格化、ISO化を進めており、2023年以降エネルギー、防災情報、インフラ、保険、ツーリズムなど、あらゆる分野においてこの防災ISOの適用が見込まれている。本取り組みで開発されたソリューションについても国際展開に向けてISO化を考えている。

 

〇ヴィタゴラ・クラスター(ディジョン,フランス)

コミュニケーション・マネージャー マーサ・ジュウェル氏
クラスター連携による緊密な日仏食品農業ビジネス関係の構築

・我々は農業イノベーションクラスターで、フランス・ディジョンが拠点。パリや熊本にもオフィスがある。創設は、2005年。政府、フランシュ・コンテ州、イル・ド・フランス州から支援を受けている。

・クラスターの会員数は、フランス内外に570。会員には2つのカテゴリーがあり、1つ目は農業食品企業(中小企業、スタートアップから多国籍企業まで)で、2つ目のグループは、ナレッジプロバーダー、エキスパート、イノベーター、研究者、テクノロジーエキスパートなどである。互いに協力しながら、イノベーションや国際開発のゴールを目指している。

・2017年にアクセラレーセーションラボを発足。50のスタートアップを選定し、支援している。国際開発は、イノベーションクラスターには不可欠の要素であり、戦略の中核においている。イノベーションのエコシステムを構築して、世界中のパートナーに加わってもらっている。

・2020年には日本事務所を開設、今年の夏にはルワンダ事務所をオープンする。事務所の役割は、クラスターや研究所との連携。提供しているのは、イノベーション・エコシステムへの相互アクセス、パートナー会員ネットワークへのアクセス、市場アクセス、文献発表、欧州ビジネスへのエキスパートサポートなどである。欧州企業が欧州外へ出ていくときのサポート、更にはクラスター構築のベストプラクティスの共有も行っている。

・創設してまもなく、インターナショナル・ナレッジマッピングを実施して、農業食品の戦略的市場はどこか、ナレッジクラスターはどこかを特定してきており、その中で日本が我々の国際的発展の市場だということが分かった。

・日本向け開発プログラムをつくり、入口になる既存のクラスターとの関係をはぐくんできた。日本には、既存のクラスターとのネットワークがあり、我々の玄関口になってくれた。そこを通じて、日本の市場へアクセスしている。メインパートナーが重要で、我々にとってはKBCC(九州地域バイオクラスター推進協議会)だった。相互訪問することで、互いに文化的な側面も把握、理解しながら連携してきた。

・パートナーシップを構築し、ビジネスイノベーション提携として結実したものに対して、我々は援助してきたほか、相互のビジネスミッション、ビジネスや研究者の招へいも行った。日本の3つの団体・企業は、ヴィタゴラの会員になってくれている。MOUをKBCCと締結し、我々は熊本県にヴィタゴラジャパンオフィスを開設し、アグリフードエンジニアを常駐させている。オフィスでは、両クラスター間の技術的、知識のサポート、ツールを提供している。市場へのアクセスを加速化させ、国際的なマッチメイキング、必要なパートナーの特定などサポートをしている。KBCCとお互いのリソースにアクセスが可能になっているので、クラスターマネジメントのサポートや、アクションプランの展開といったサポート、戦略インテリジェンスもリソースへアクセスが可能となっている。

 

〇岐阜県

岐阜県観光国際戦略アドバイザー 古田 菜穂子 氏

“岐阜県のインバウンド戦略~サステナブル・ツーリズムの促進~”

・県の観光の基本戦略は、地域資源や伝統文化資源を磨き、それらの魅力を国内外へ積極的にプロモーションし、評価向上を促すことである。

・地域資源を磨き、観光資源化する「岐阜の宝もの認定プロジェクト」と、磨いた資源を世界に発信する「飛騨美濃じまん海外戦略プロジェクト」の2つを両輪として 「GIFUブランドの確立」を目指してきた。「岐阜の宝もの認定プロジェクト」では、今から12年程前より、ここにあるようなさまざまな地域資源を発掘し、それらを「岐阜の宝もの」として認定し、磨き、観光資源化とともに地域の自然や文化の継承にも取り組んできた。そこで大切にしてきたのが、地域の持続可能性、サステナブル・ツーリズムの実現である。 その結果、県の観光資源が「点」から「面」へ変遷し、まさに県内の観光が、長期滞在型 のインバウンドに適した観光地へとなっていった。

・そうして出来た観光資源を国内外にアピールし、岐阜県産品や、飛騨牛などの高級食材の販売促進につなぐのが「飛騨美濃じまん海外戦略プロジェクト」で、2012年からは欧州各地へのプロモーションを開始しました。このプロジェクトの大きな特徴は、知事のトップセールスとともに「観光」「食」「モノ づくり」を一体にしたプロモーションを行うことである。

・さまざまなプロモーションを行ってきた中で最も大切にしてきたのは、各国へのプロモーションを一過性のものにしないこと。 ターゲット国には最低3年間は継続してプロモーションし続け、現地でしっかり県の観光、 食、ものづくりなどをアピールしていただけるカウンターパートをつくることである。その結果、岐阜県へのインバウンド観光客は、ここ10年で飛躍的に伸び、観光の促進にともない、農畜産物の輸出量も伸びた。

・県産品の継続販売拠点としてのGAS(グローバル・アンテナ・ショップ)は、世界8ヵ国13 店舗を開拓し、木工、陶磁器、和紙、刃物など約100社の商品が取扱われている。現在、インバウンド観光はコロナ禍の影響で皆無だが、飛驒牛や岐阜県産品の輸出は継続されており、現地の方々による岐阜県プロモーションも行っている。

・昨今は、特にサステナブルに注力したプロモーションを続けており、例えば、世界農業遺産に認定された長良川システムによるアグリツーリズムや環境システムのアピールや、 命のビザで知られる岐阜県出身のもと外交官・杉原千畝にちなんだ人道観光など様々な分野で展開している。これらは、SDGsの理念の具現化であり、岐阜県の強みである。文化の継承、歴史や人道精神の継承など、すでに10年以上前からSDGsに叶った取組みやインバウンドを進めてきた。

・観光用に造られたものではなく、人々の暮らしの中に息づくサステナブルな観光として、新たなプロモーション展開をはじめた。 テーマは“日本の源流に出会う旅“-Timeless Japan, Naturally an Adventure。 ここで伝えたいイズムは、「岐阜県の豊かな自然に身をゆだね、人々が大切に受け継いできた伝統、日常の暮らしや文化に触れ、日本人の魂を感じてほしい」ということである。 

・今後は「サステナブルを踏まえたブランディングをプロモーション活動に反映し、INSTOへの加盟や、GSTCの認証取得」に向けた取組みを進める。そうして名実共に世界から認められるサステナブル・ツーリズムの先進県を目指していく。

日欧地域連携年次会議 政策セッション

(2) 日欧地域連携政策セッション 「日欧地域連携の政策とこれから」 

〇JETRO

企画部主幹 岡野 祐介 氏

・ジェトロは政府機関で貿易と投資の促進を担っており、近年、貿易では中小企業の輸出に力点を置いている。投資では対日投資に特に重点を置き、EUに13のオフィス、日本では47都道府県全てにオフィスを構える。

・日本政府の重要政策の一つとして「地方の創生・地方の経済活性化」があり、ジェトロも政府の方針に沿って事業を実施している。

・これまで日本と海外の地域間の産業交流を促進する事業(RIT事業)、調査、商談の実施、海外からの招へい等を実施している。RIT事業は2020年度を以って終了したが、RIT事業終了後も自治体が海外と独自に交流している事例もある。

・以下は、ジェトロが支援した日欧地域の産業交流に関する事例。

 ①ドイツ、ノルトライン・ヴェストファーレン州と福島県(テーマ;再生エネルギー)

 ドイツ企業の福島での商談会への参加、福島県企業のドイツでの商談会参加といった非常にアクティブな交流を行なっており、個別企業同士の取引、技術提携の話も複数進んでいる。福島県が ドイツ側とのコンタクト窓口となり、県内企業の海外ビジネスサポートをするためのコーディネーターを配置している。

 ②ドイツのNRW州、ヘッセン州と山梨県(テーマ;水素・燃料電池)

 山梨県に業界に通じた大学の研究者の方等がいることに加え、多数の水素・燃料電池分野に関連するプレーヤーを持つドイツ・NRW州のエネルギーエージェンシーや、ヘッセン州のH2BZも協力機関として参画した。2020年初頭に山梨県から中小企業5社がNRW州、ヘッセン州を訪問し商談会を実施している。日本からの製品の輸出や共同研究で成功の見込みがある事案もあった。

 ③バーデン・ビュッテンベルグ(BW)州と熊本(テーマ:医療・福祉機器)

 2021年初頭にジェトロは熊本とドイツ企業関係者のビジネスミーティングを企画。現在では、個別企業間での商談が行われている。

・外国企業誘致に積極的な自治体を選定し支援する「地域への対日直接投資サポートプログラム」を実施している。プログラムは政府と共同で実施。プログラムは外国企業誘致や外国との交流に意欲的な自治体約30を選定し、地域の特色を勘案し支援を展開している。

・Regional Business Conference(RBC)というプログラムを2018年から自治体への支援として実施している。このプログラムにより、自治体が誘致を希望する外国企業等をジェトロの海外ネットワークを活用し、招へいしている。地元企業や大学等との連携や協業を促し、最終的には日本への投資が目標である。

  ・RBCを通じた日本の地方企業と欧州企業との協業例としては、大阪市で2019年3月に実施されたRBCを機に、デンマークのアクセラレーターであるRainmakingが大阪に支社を設立し、阪急電鉄など6社と共に大阪市でスタートアップ支援プログラムを開始したものがある。

・2021年度もRBC事業は引き続き実施。3つのテーマ(ヘルステック、ファクトリーテック、トラベルテックを予定)で日本への投資に関心のある外国企業を募集し、自治体やその地域の企業とのマッチングを行う。

 

〇愛知県 

愛知県経済産業局長 伊藤 浩行 氏

“イノベーションを創出する愛知”

・愛知は、地理的にも経済的にも日本の中心。将来的には、東京-愛知・名古屋間をわずか40分で結ぶリニア中央新幹線が開業予定。移動時間が大幅に短縮されることにより、東京を中心とする首都圏と愛知の都市圏が一体化し、人口5千万人、GDPが2兆ドルを超える巨大な経済圏が誕生する。愛知県の県内総生産は、4,030億ドル(40.3兆円 2017年度)で、東京に次いで全国2位。製造業が集積していることが強み。製造品出荷額等は、42年連続日本一。

・産業労働分野の中期的計画である、愛知県経済労働ビジョン2021-2025のうち、「次世代産業の振興・イノベーションの創出」、「グローバルな産業拠点機能の向上」の2つが欧州と関わる取組である。これらを実現するために、欧州の高度でイノベーティブな産業にアプローチしている。

・1つ目は、航空宇宙産業の振興で、アジアでNo.1の航空宇宙産業クラスターの形成を目指しており、海外の先進地域との連携により、持続的な航空宇宙産業の発展を推進している。具体的な取組では、2018年6月5日にフランスオクシタニー地域圏とMOUを締結。主な締結内容は3つあり、2つ目に航空宇宙産業における連携・協力が明記されている。

・航空宇宙産業振興のため、地域の行政、支援機関及び大学で構成する「あいち・なごやエアロスペースコンソーシアム」を設立し、愛知・欧州相互の展示会等に参加するなど、経済交流を深めている。

・最近では、パリ・エアショー2019において、オクシタニー地域圏政府と愛知県の両地域の企業間において、事前に双方のニーズを調整した上で行うマッチングやネットワーキングイベントを実施すると共に、オクシタニー主催のレセプションへの招待を受け、両地域の企業の交流を促進。

・エアロマート名古屋2019において、オクシタニー地域圏と愛知県が共催で両地域の航空宇宙産業関係の企業、大学、行政及び支援機関を一堂に集めた交流会を開催するととともに、オクシタニー地域を始めとした欧州と愛知の参加者が交流するイベントを実施している。

・2つ目は、スタートアップ支援で、海外の先進的なスタートアップ支援機関・大学との連携等により、世界有数のスタートアップ・エコシステムの形成を推進している。具体的な取組としては、愛知県内のスタートアップ企業に向けた支援プログラムの実施や、高度人材の交流を推進するために、NUS、米国テキサス大学オースティン校を始め、中国、欧州の大学や支援機関とも連携している。

・フランスとは、フランスのスタートアップ支援組織における先進的な取組を学ぶため、2020年度は、世界最高レベルのビジネススクールである「INSEAD」、パリ市の経済開発公社「Paris&Co」、工学系高等専門大学院の「IMT Atlantique」と連携事業を実施。

・2021度は、引き続きINSEADとの連携プログラムやParis&Coとのセミナーを実施する。また、IMT Atlantiqueとは、2020年度のセミナーに参加した大学と同校の交流促進を支援する。さらに、新たに政府系金融機関「Bpifrance」とも、連携セミナーを実施する予定。

・2024年10月には、世界最高レベル、日本最大級のスタートアップ中核支援拠点となるStationAが、名古屋市内に開設する予定であり、フランスにある世界最大級のインキュベーション施設、Station Fを参考として建設する予定。フランス、アメリカ、中国、シンガポールなど、世界最高クラスの海外スタートアップ支援機関・大学との連携を通じて、世界最高品質のスタートアップ支援プログラム等をワンストップ・ワンルーフで提供する。

 

〇コシツェ州(スロバキア)

州知事付外務・外交エグゼクティブ・アドバイザー、諮問委員会委員、コシツェ州観光・クロスボーダー連携委員会委員 ユライ・セマン 氏

“コシツェ州による地域外交、アジアン・ジャーニー”

・ユネスコ登録サイトが18か所もある地域である。330億円に相当する年間予算を持っており、第三国とも外交関係を結び、ビジネスモデルをつくり、カウンターパートを見つけ、連携している。

・各セクションで大きなイベントを打っており、イノベーションウィークをシンガポールと行ったり、香港との関係でも、有名なイベントに参加している。チャリーラム長官と直接対話している。

・昨年は、日本とスロバキアの友好100周年だった。コシツェ州の外交的な取組では、大使館やJETROや全日空との関係がある。コロナ以前は、公式訪問を受けたり、日本代表団とスロバキアカウンターパートナーとのビジネスネットワーキングの実施などに取り組み、両国の主要プレーヤーを通じて活動している。

・自治体間の外交としては、友好と相互理解に多大な貢献をしたため、日本文化ウィークエンドフェスティバルを開催したチーム贈るアンバサダーアワードの運営も行った。

・今後は、現在の日本大使の正式なご招待、ラウンドテーブルへの日本企業の参加、他の地域間とのMOU締結、日本からのインバウンドの強化等を進めていきたい。また、国際プラットフォームを使って、スロバキアのプレーヤーをアピールしていきたいし、大阪万博でもプレゼンをぜひ行いたい。

・過去2年間では、日本企業による大型買収案件が3件あった。我々の地域の日本の直接投資が22%増大している。

・コシッツェ技術大学(PUKE)は欧州粉末冶金R&Dセンターに宣伝されており、ブリュッセルの欧州粉末冶金協会(EPMA)から認証済みである。

・コロナ禍においては、スロバキアスペーステックデーとスロバキア航空産業デーという重要なオンラインフォーラムを開催した。2019年には、富山で講義をしている。我々の大学と富山大学のMOUにより、関係機関との共同ラボ開設を期待している。

・ニュービジネスの機会がでてきており、日本だけではなく第三国とも、また観光やサイエンスの分野にも力を入れていきたい。

 

〇大阪府バイオヘッドクォーター

 大阪府商工労働部成長産業振興室 ライフサイエンス産業課 参事 野村 和秀 氏

“大阪と欧州クラスターの戦略的パートナーシップ ”

・日本を代表する製薬企業は大阪が起源。我が国の製薬、化学産業の近代化をリードしてきた。

・大阪北部を中心に、大阪大学をはじめとするライフサイエンス関連の優れた大学、研究機関が多数立地している。

・大阪大学発のスタートアップの数は、東京大学、京都大学に次いで多く、京大発のそれと合わせると300以上に及ぶ。大阪・関西の研究・科学技術のリソースは日本有数である。

・強みを活かし、府内ライフサイエンス関連企業のグローバル展開を支援するため、国際展示会等で大阪のポテンシャルをPRし、海外のクラスターとは、展示会での面談等を通じて相互理解を深めてきた。

・2011年には、ドイツ・バイエルン州のBioMと大阪府との間で、ライフサイエンス分野での連携強化に向けた協定書を締結。両地域には、世界トップレベルの大学・研究機関や製薬企業が多数集積するほか、グローバル企業とそれを支える中小企業の存在など多くの共通点があり、産学官連携の推進や商談機会の提供をはじめとする中小ベンチャー支援など、めざす方向が一致。協力関係が深化してきた。

・2016年には、欧州4か国にまたがる合同クラスターbioXclusters(西biocat, 独BioM, 伊bioPmed / Bioindustry park, 仏Lyonbiopôle)との連携を開始。欧州のライフサイエンス分野の中小ベンチャーの国際協力を強化し、国際展開を支援するための戦略的パートナーシップを確認した。

・これら欧州クラスターのほか、各国大使館・総領事館のサポートもあり、これまで緊密な日欧協力関係を構築している。

・2016年からは、この協力関係を活かし,日欧のライフサイエンス関連企業が参加する商談会を、毎年実施するなど、EU各国及びその企業等との交流を深めてきた。

・昨年は初めてオンラインで3日間開催。日欧産業協力センターと連携し、欧州クラスターのご支援をいただきながら、強固な協力体制のもと実施できたことは、これまでのあゆみの成果である。

・オンライン商談会には、日欧で合わせて150社を超える企業が参加。400件近くの商談が行われた。海外からは、フランス、ドイツなど、欧州19か国からご参加いただいた。

・コロナ終息に向けて、昨年、大阪の再生・成長に向けて取り組むべき方向性を明らかにする、「大阪の再生・成長に向けた新戦略」が策定された。

・これまでの大阪の成長戦略を継承し、ポストコロナに向けた再生・成長の重点分野のひとつに「健康・医療関連産業のリーディング産業化」が位置付けられており、我々は健康・医療関連産業の世界的なバイオクラスターの形成をめざしている。

・しかしながら、大阪・関西にはライフサイエンス分野の企業や研究施設が集積していることは知られていないのが現状。

・欧州商談会や、府の取組みの基軸のひとつである大阪万博を通じて、関西のバイオコミュニティをブランド化し、その結果として世界から人材や投資を呼び込めるようなエリアに育てていきたい。

・EUとの交流や欧州商談会は、2025年大阪万博に向けた弾みにもなる。万博のテーマは、『いのち輝く未来社会のデザイン』。 ライフサイエンス領域の研究開発の発展について、皆様の目に触れる良い機会も用意されている。今後も皆様と連携しながら、大阪・関西のライフサイエンス産業の推進に貢献していきたい。

 

〇グランテスト州(フランス) 

副ジェネラル・マネージャー イザベル・クーン 氏

 “グランテスト AIプラン” “Grand E-nov +”

・欧州の中央にあり、3つのテリトリー(アルザス、ロレーヌ、シャンパーヌ・アルデンヌ地方)がある。フランスの中で、第2の産業が盛んな地域であり、大企業が立地している。

・デジタルの取り組みでは、スマートリジョンを目指した取り組みを実施してきた。例えば、リセ4.0というプログラムは、コロナ禍で大きな役割を果たした。ラップトップを貸与するというもので、オンライン授業にスムーズに移行できている。わが州はフランスの州で初めて、ブロードバンドネットワークを都市部だけでなく、村落や過疎地にも展開した。

・グランテスト州復興計画というビジネスアクト・グランテストを通じて、インダストリー5.0化、エコロジーへの転換、DX、という3つの優先事項を設定している。これにより、80の具体的取り組みと40の主要プロジェクトが発足。いくつかは、AI、サイバーセキュリティ―、クラウドサービス、あるいは欧州プロジェクトに関連したものである。

・主な課題は、企業と地域のDXを加速すること、地元のソリューションプロバイダーの成長、イノベーション支援である。これらの課題にこたえるために、全てのステークホルダーが物事をスムーズに進められるよう連携の取り組みを強化してきた。ステークホルダー全員に協力を求めて、欧州連携・国際連携の強化を目指している。戦略の一つの例が、2019年にスタートしたAI計画。AIを通じて地元企業の競争力を増大し、またアカデミアの力を知ってもらうことを目指している。目標は5つあり、先に述べた企業の競争力の他、サイエンスのエクセレンス支援、AIのスタートアップの活性化、スキル開発、AIの倫理性・透明性を保障することである。

・効率を上げるため、グランテスト州では3つ(ヘルスケア、産業用、バイオエコノミー)のマーケットのみに注力し、この計画で、3億5000万ユーロの投資を5年間で行う予定。

・わが州の強みは、研究者の能力が高いこと、銀行保険分野で世界最大のIBM、AIセンターをホストしていることである。

・AIソリューションプロバイダーのエコシステムは、ほとんどがスタートアップ企業で構成され、いまでは100社を超えている。AIテクノロジー、AIユースに特化した企業である。このネットワークにはインキュベーターがあり、地域のアクセラレーターもある。日本の企業も3社ある。他のスタートアップもぜひわれわれのスタートアップのエコシステムに参加してもらえたらと思う。

・AI計画の一つの例として、企業診断でAIプロジェクトを特定し、その実施に財政支援をしている。この作業にソリューションプロバイダーのマッピングを活用しており、ニーズにこたえられる企業がお互いに直接コンタクトできるようにしている。スキルについては人材不足が大きな懸念であり、グランテストでは新世代のデジタルスクール開講を支援している。

・日本との連携の意味として、アルザスは、日本の長い交流の歴史が背景にあり、代表事務所を東京や名古屋に事務所を開設している。日本企業が私たちの州に進出する際や、地元企業が日本で展開する際の便宜を図り、経済、文化、言語のサポートを提供している。アルザス・欧州日本学研究所及びジャパンテッククラスターという2つの専門組織を持っているのが強みである。アルザス・欧州日本学研究所では、欧州での日本研究サポート、日本文化理解の支援活動、アルザスに進出した日本企業の役所やビジネス関係者コンタクトのサポート等を行っている。また、ジャパンテックは、グランテストにある日本企業のネットワークをつくることが狙いであり、現時点で40社を超えている。

・このクラスターには、欧州で唯一、日本の中小企業スタートアップに特化したインキュベーターがある。会員にプロジェクト開発、メンバー支援、ネットワークづくりなどサービスを提供している。

連絡先・アクセス

batiment 10 rue de la Paix 20190129  

(一財)自治体国際化協会パリ事務所

事務所
仏文名称:

Centre Japonais des Collectivités Locales : CLAIR, Paris

住所: 10 rue de la Paix 75002 Paris
E-mail: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
URL: www.clairparis.org
電話番号: +33 1 40 20 09 74 (日本・フランス国外から)
01 40 20 09 74 (フランス国内から)
FAX番号: +33 1 40 20 02 12 (日本・フランス国外から)
01 40 20 02 12 (フランス国内から)
開所時間: 9:30~17:30 (12:30~13:30休憩)
休所日: 土曜日、日曜日、祝日、年末年始

事務所開設
年月日:

1990年10月1日

担当地域: フランス、ベルギー、ルクセンブルグ、スイス、
イタリア、スペイン及びポルトガル(7ヶ国)
活動支援
対象地域:
フランス、ベルギー(フランス語圏内)、
スイス(フランス語圏内)、スペイン
所員:

開設当初は所員3名及びローカルスタッフ1名であったが、
現在は以下のとおり所員10名及びローカルスタッフ4名の
計14名体制である(2021年度)。

※所員の派遣元は以下のとおり
 総務省、東京都、山梨県、静岡市、市川市(千葉県)、
 金沢市、福井市、高梁市(岡山県)、札幌市

パリ事務所 周辺地図

 

 

当事務所が入居している建物周辺には当事務所の看板等はありません。

ペ通り(rue de la Paix)10番地にあり、ホテルウェストミンスター(Hotel Westminster)の道向かいになります。「10 PAIX」の表示のある通路をお入りいただくと右手に入口があります。通路入口右手にはS.T.Dupont、左手にはBREITLINGというお店があります。

そのまま入口を通りエレベーターで3階までお越しください。事務所はエレベーターを降りて左手になります。

entree 10 Paix 20190129
建物入口通路

 

 パリ事務所 アクセス

 

メトロ・鉄道(RER)最寄駅

 Opéra(オペラ)駅 (メトロ 3, 7, 8号線) 徒歩約3分 (約220m)
 Auber(オベール)駅 (RER A線) 徒歩約6分 (約450m)
Metro ligne 3 Quatre-Septembre(キャトル=セプタンブル)駅 (メトロ 3号線) 徒歩約6分 (約450m)
Metro ligne 7 14 Pyramides(ピラミッド)駅(メトロ7, 14号線) 徒歩約7分 (約500m)
 Madeleine(マドレーヌ)駅 (メトロ 8, 12, 14号線) 徒歩約7分 (約550m)


シャルル・ド・ゴール空港より

鉄道(RER)利用

所要時間: 約50分 (平均的な乗り換え、待ち時間含む)
平日昼間運行間隔: 7~8分毎(RER B線)、3~4分毎(RER A線)

Aéroport CDG 1(シャルル・ド・ゴール空港第1)駅 または
Aéroport CDG 2(シャルル・ド・ゴール空港第2)駅
↓(RER B線 快速31分、普通36分)
Châtelet – Les Halles(シャトレ・レ・アール)駅 (RER A線に乗り換え)
↓(RER A線 普通約3分)
Auber(オベール)駅

路線バス(ロワシーバス)利用

所要約45~60分(渋滞のない場合、乗車ターミナルにより変動)
平日昼間運航間隔: 15分毎

シャルル・ド・ゴール空港各ターミナル→オペラ座前(Rue ScribeとRue Auberの交差点近く)
RATP(パリ市交通公団)のサイト(日本語ページあり)にて、路線図等各種情報を入手できます。