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パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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日本の伝統文化イベント「Instant’ Japan」 で福井の草木染めと観光PR

・パリ市内のおしゃれなマレ地区で新しい日本の伝統文化イベント「Instant’ Japan」開催

2018年12月15日、16日に今回が初めての開催となるイベント「Instant’ Japan」に福井ブースのスタッフとして参加してきました。

主催はInstant’ Culture という団体(非営利社団法人)で、伝統的な日本をパリで紹介したい、という想いから企画されたものです。特定の地方を押し出した福井ブースのほかにも、福井県の鯖江市で眼鏡フレームづくりを学んだという眼鏡フレーム職人のブースや、マレ地区に拠点を置く岡山県倉敷市のジーンズメーカーであるJapan Blueなどの出展がありました。イベント開催日初日の土曜日は、日本でもニュース等で話題になっている黄色いベストを着た集団(gilets jaunes)によるデモが実施され、これによって会場アクセスのための最も主要な駅の一つが封鎖されてしまいましたが、それでも2日間で合計約1,200人が来場しました。

 

・藍染体験ワークショップ

今回出展したブースでは、草木染職人 石川雅夫さんによる福井の草木染の体験ワークショップ、草木染で染めた製品の販売と併せて福井のPRを実施しました。

ワークショップでは、当初は藍染めとピンクに染まるラック染めの2種類を実施する予定でしたが、当地の水が硬水であるためにラック染めの染料が上手く水に溶けず、結局ラック染めはできませんでした。それでも来場者の藍染めに対する関心が非常に高かったため、ラック染めができなかったことによる問題は全くありませんでした。

ワークショップで参加者が体験した染色の方法は、部分的に染めたり、グラデーションにしたりする染め方だったのですが、特に白く残したい部分に染料が付着してしまうと一巻の終わりです。また、生地を染液に浸す時間も非常に慎重に見極める必要があるため、基本的に付きっ切りの対応が必要な程で、参加者にも非常に緊張感がありました。

さらに参加者が染めた作品自体はそれぞれ異なり、最後に生地を広げて染料をゆすぐ瞬間までどんな色合い・模様になるかわかりません。このため、フランス人の創作魂に火が付くのか、参加者は皆真剣に取り組み、また、同時に楽しんでもいました。

・染物の販売

販売では、比較的買いやすい価格帯のストール(45~70ユーロ)と、掛け物(主に150ユーロ~230ユーロ)を販売しました。特に掛け物のほうは、ストールやその他の雑貨と比べても比較的高価ですが、来場者は「比較的年齢層が高い」、「日本文化に造詣が深い」または「日本文化に対する興味が強い」、などの傾向もあり、多くの方は躊躇すること無く購入に踏み切っていました。

来場者から判断しても、主催者の「ポップカルチャーなどではない伝統的な日本を紹介したい」という趣旨に沿うイベントになっていたのではないかと思います。

また、フランスではBIOと呼ばれる有機栽培の食品が流行するなど、近年自然志向が強くなっているため、このことも、天然染料を使った今回の製品の販売や体験を中心に実施した福井ブースが来場者の目を惹いた大きな理由だと思われます。

200ユーロ以上の商品が好調に売れたと感じましたが、来場者とこうした出展内容がうまくマッチした結果であったと思います。また、ワークショップ参加者は自分の染めたオリジナル商品を持ち帰ることができるということも影響してか、ワークショップに参加した方々と商品を購入した方々は同一ではなかったというのも印象的でした。

・福井市のPR

今回は日本行きを検討している来場者に向けて、福井のPRも実施しました。訪日経験があるという来場者も少なくありませんでした。「大都市を既に見ているため、今度は日本の田舎や自然を見たい」という声も多く、福井ブースでは特にしだれ桜のポスターが非常に好評でした。

福井ブースの様子
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